はじめに
自分の所有銘柄であるワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)は米国日付9月11日(木)に
パラマウントによるワーナー買収提案準備との報道(2025/9)
でまとめた通り、ウォール・ストリート・ジャーナル誌がパラマウント・スカイダンス(PSKY)がワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収を検討しているとの報道を行ったことで、
30%近い上昇となった。
その後も9月12日(金)が
15%を超える上昇。週が明けた9月15日(月)も流石に上昇幅は減少したものの
3%を超える上昇で3連騰となっていた。
その間はパラマウント、ワーナーブラザースからの正式なコメントや続報も無かったのだが、9月16日(火)には
と大きく下落。
流石に上昇の反動が出たのかと思ったが、確認してみると掲題の投資格付けアップデートが主な下落要因だったようだ。以下、その内容について整理しておくことにする。
2025年9月15日のワーナーブラザース・ディスカバリー投資格付けアップデート
以下は9月15日の米国市場閉場後のTD Cowenによるアップデートより引用・抜粋。
投資格付け:BuyからHoldに下方修正
目標株価:14ドルで変わらず
- Warner Bros. Discovery shares have surged well beyond our $14 price target following last week’s unsubstantiated report that Paramount Skydance may be considering a bid for the company
ワーナーブラザース・ディスカバリーの株価は、パラマウント・スカイダンスが同社への買収を検討している可能性があるという先週の根拠のない報道を受け、当社の目標株価14ドルを大きく上回って急騰した - While PSKY may come in with a $20+ bid, we don’t love the risk-reward here given the potential for WBD shares to quickly round-trip to $11-$12 if the bid doesn’t materialize
PSKYは20ドル以上の入札で応じるかもしれないが、入札が実現しない場合WBD株はすぐに11~12ドルまで下落する可能性があるため、リスクとリターンのバランスは好ましくないと考えている - Sometimes the best move is to admit you don’t have a particular edge on a situation and move to the sidelines; that is what we are doing here
時には状況に対して特に優位性がないことを認め、傍観者に回ることが最善の策となることもある。まさにそれが我々がここでやっていることだ - Given the speculative nature of the current rally and the elevated risk profile at these levels, we are downgrading WBD from Buy to Hold while maintaining our $14 price target
現在の上昇の投機的な性質とこの水準でのリスクプロファイルの上昇を考慮し、我々はWBDの投資判断をBuyからHoldに引き下げるが、目標価格は14ドルを維持する
またワーナーブラザースの買収が当局による承認を受けられる可能性は高いものの、パラマウント・スカイダンスに代わるワーナーブラザース買収候補が限定されていることもリスク要因として指摘している。
まとめ
以上TD Cowenによるワーナーブラザース・ディスカバリーの投資格付けアップデートについてまとめてみた。
パラマウント・スカイダンスによるワーナーブラザース買収があくまで「 unsubstantiated report(根拠のない報道)」であることを元に、目標株価は据え置き、投資格付けは現在の急騰した株価に対してはHoldが妥当という判断を下している。
「現時点ではあくまでパラマウント・スカイダンスがワーナーブラザース・ディスカバリーの買収を準備しているという関係者の発言に基づく報道だけで、パラマウントとワーナーブラザースは正式にコメントしていないため過度な期待を抱くべきではないだろう。」
としており、今回のTD Cowenによるアップデート内容は腑に落ちるものがある。やはり過度な期待はせず続報や正式コメントなどで状況がはっきりするのを待つべきなのだろう。
どうしても上昇した株価を基準にしてしまう気持ちはあるが、今回報道された買収が成立しないことがはっきりした場合には、ワーナーブラザースの株価は買収報道前の水準まで下落するだろうことは覚悟しておきたい。