はじめに
週末に自分のポートフォリオを眺めていたところ、ボーイング(BA)株がここ1ヶ月程で
170ドル近くまで上昇していることに気が付いた。
11月4日に2ヶ月近く続いたボーイングのストライキが終結した際の株価は下落して151ドルで、
「今後のボーイング株だが、自分はストライキが終結したことで単純に株価が上昇すると思っていただけに、11月5日のボーイング株が下落したことは残念ながらまだまだ先が長いことを痛感させられた。」
と書いていたのだが、その後も下落して11月14日には年初来安値を更新して138.14ドルまで値を下げていた。しかしその後は上記のチャートの様に基本的には右肩上がりになっている。
以下、ボーイングのスト終結以降ここ1ヶ月程度の間にボーイングにどの様な動きがあり、株価上昇につながったのかを確認してみる。
ボーイングのスト終結(2024年11月4日)以降の主な動き
- 11月7日
- 米連邦航空局(FAA)が、ボーイング社が(スト終結を受けて)職場復帰計画を開始する際には監視をさらに強化し対象を絞る予定である、と発表
- FAAはストライキ期間中もボーイング社の工場への立ち入りを強化していた
- 11月8日
- ロイター報道による最高経営責任者(CEO)Kelly Ortberg氏の従業員宛てのメール
- ストライキ期間中に一時解雇された従業員には、会社から失われた賃金が支払われる
- 財務的な現実とより焦点を絞った合理的な優先事項の設定に合わせるために、我々は以前に発表した従業員レベルを削減する行動(グローバル従業員の約10%を削減)を継続します
- ロイター報道による最高経営責任者(CEO)Kelly Ortberg氏の従業員宛てのメール
- 11月12日
- スピリット・エアロシステムズ(SPR)がボーイングから最大3億5000万ドル、エアバスから最大1億700万ドルの前払いを受けると発表
- スピリット・エアロシステムズはボーイング/エアバスの重要サプライヤーであり、1週間ほど前に継続企業として継続できるかどうか「かなり疑わしい」と警告を発していた
- 11月12日
- ボーイングが10月の商用機受注/納入の実績を公開
- 引き渡し:14機(前年同月比20機減)
- 受注:63機(前年同月比60機減)
- ボーイングが10月の商用機受注/納入の実績を公開
- 11月13日
- ボーイングが今週から(グローバル従業員の約10%を削減するための)解雇通知を出すと発表
- 12月10日
- ボーイングが先週から737MAX型機の生産を再開したとロイターが報道
- 12月10日
- ボーイングが11月の商用機受注/納入の実績を公開
- 引き渡し:13機(前年同月比43機減)
- 受注:49機(前年同月比65機減)
- ボーイングが11月の商用機受注/納入の実績を公開
- 12月12日
- ボーイングが2026年までにワイドボディ機787ドリームライナーを月産10機に増産する計画を発表
- サウスカロライナ州チャールストン郡に10億ドルを投資してインフラを改善し、500人の新規雇用を創出する計画
まとめ
ここ最近のボーイングの主な動きを確認してみたが、年初来最安値を更新した際はサプライヤーであるスピリット・エアロシステムズへの前払い金が影響したようで、その後12月初旬にかけての回復はリストラ計画の開始や市場の上昇、そして12月中旬の上昇は737MAX型機の生産再開や787ドリームライナーの増産計画が寄与したものと思われる。
とりあえずスト終結から着実に正常化への動きが進んでいる様に見受けられ、それが株価上昇につながっているとは思うのだが、年初来では
市場(S&P 500)が約27%上昇しているのに対しボーイング株は約35%下落しており、本格回復への道のりはまだまだ長そうだ。
このままここ1ヶ月程のように株価が堅調に推移し、来年の第4四半期決算で将来的な財務/業績にも自信が持てる様な内容を発表してもらいたいものだ。