ブリストル(BMY)株の10%超上昇について(2024/11)

はじめに

2024年11月11日(月)の米国主要株式3市場は

小幅ながらも上昇し、いずれも過去最高値を更新している。そんな中で自分の所有しているブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)が

10%を超える上昇となった。ヘルスケア業界は必ずしも好調だった訳ではなく

確認してみたところ今回のブリストル株上昇は、以下に述べる個別要因が原因だったようだ。

以下、ブリストル株の急騰原因について簡単にまとめておくことにする。


2024年11月11日のブリストル株上昇の要因

2024年11月11日のブリストル株の上昇要因は、同じヘルスケアのAbbVie Inc.の発表が原因だったようだ。以下はAbbVie Inc.の企業サイトより引用・抜粋。

  • 精神病症状の急性増悪を経験している統合失調症の成人患者を対象にしたEmraclidineを1日1回経口単剤療法として検討する2つの第2相EMPOWER試験において、主要評価項目を達成しなかった
  • 結果には失望しているが、次のステップを決定するために引き続きデータの分析を行っている

EmraclidineはブリストルのCOBENFYと同様に副交感神経系に関与するムスカリン受容体をターゲットとしており(ただし方法は異なる)、一般的に使用されている抗精神病薬に見られる体重増加などの副作用を伴わずに統合失調症の症状を軽減することを目的とした新しいクラスの治療薬。

このEmraclidineは今年AbbVie Inc.が87億ドルで買収完了したCerevel Therapeuticsが開発元の薬。一方、COBENFYは昨年末ブリストルが140億ドルで買収したKaruna Therapeuticsが開発していた薬(旧名はKarXT)で、今年の9月にFDA(米食品医薬品局)の承認を取得している。

そしてこの発表を受けて11月11日のAbbVie Inc.の株価は

と12%超の下落なっている。


まとめ

以上の様にEmraclidine臨床結果が失敗に終わったためにAbbVie Inc.の株価は大きく下落し、自分の所有するブリストル株は類似の統合失調症向けの新薬COBENFYで既に承認を受けているために株価が大きく上昇するという結果になったようだ。

ブリストル・マイヤーズは直近10月末の2024年第3四半期決算が好調で5%を超える上昇だったものの、

「今後のブリストル株だが今回の決算が好調だったことを考えると期待できそうな気もするのだが、決算翌日には市場が上昇したにもかかわらず利益確定売りの影響か2.6%の下落となっており、そこまで確信は持てないのが本音。11月の大統領選結果次第では製薬業界への影響も考えられるので、しばらくは株価動向に気を付けておいた方が良いだろう。」

と書いており、実際に11月の大統領選翌日の株式市場は大きく上昇したのだがヘルスケア業界はやや下落と今後に不安を感じさせる結果となっていた。

トランプ氏が大統領選に勝利した翌日以降もブリストル株は好調とは言えない点は変わっていなかった中で、

今回のブリストル・マイヤーズ株の上昇は、他社の臨床失敗であるため手放しでは喜べない側面もあるのだが、今後の業績・株価への期待はやや高まった。この下落傾向が早期に収まり、2024年第3四半期決算でも強調されていたCOBENFYの市場展開がスムーズに行くことを願いたい。

一方で、今回はブリストルが買収した企業の新薬がスムーズにFDAの承認を受けて市場に提供出来るのが功を奏した訳だが、AbbVie Inc.の様に買収した企業の新薬が想定通りに進まない場合もある点は、考え過ぎても致し方無いのだが頭の片隅には入れておく必要があるだろう。

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