ブリストル(BMY)の臨床関連アップデート(2024/9)

はじめに

2024年9月23日(月)週の自分が所有しているブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)の株価推移は

市場(S&P500、赤線)と比べると25日(水)の下落、27日(金)の上昇が目立っていた。

調べてみると掲題の通りブリストル・マイヤーズの臨床試験結果(正確には提携企業との臨床試験を含む)が影響したらしいので、確認して整理しておくことにする。


2024年9月23日(月)週のブリストル・マイヤーズ スクイブの臨床アップデート

9月25日(水)米国市場開場前の2seventy bio発表

以下は2seventy bio(TSVT)の企業ページより引用・抜粋。

  • 2seventy bioと研究スポンサーとして提携しているブリストル・マイヤーズ スクイブは、Abecmaを用いた新たに多発性骨髄腫と診断された患者を対象とした後期臨床試験への患者登録を中止したと発表
  • この決断は、この試験が最初に計画された時よりも治療法の選択肢が増える中で対象となる患者数が減少したため
  • これにより当面の経費は8000万ドル以上節約され、2025年の損益分岐点に貢献する
  • Abecma自体の売上は好調で、2seventy Bioは第3四半期のAbecmaの売上高を第2四半期の5400万ドルから約30%増加すると予想

Abecmaは、既に2種類以上の前治療を受けている再発または難治性の多発性骨髄腫患者の治療薬として承認/販売されており、ブリストル・マイヤーズ、2seventy bioそれぞれで売上を計上している。

9月26日(木)米国市場閉場後のブリストル・マイヤーズ発表

以下はブリストル・マイヤーズ スクイブの企業ページより引用・抜粋。

  • 米食品医薬品局(FDA)がブリストル・マイヤーズ スクイブの統合失調症治療薬COBENFYを承認
  • COBENFYは、現在の治療法とは異なる作用機序を持つ数十年ぶりの統合失調症治療のための新しい薬理学的アプローチを持ち、長年の標準治療であったドパミン受容体ではなく、コリン作動性受容体を標的とする初めての承認抗精神病薬
  • COBENFYには、他の一般的な抗精神病薬とは異なり一部の高齢患者における死亡率増加のリスクに関する警告は含まれておらず、また体重増加や運動障害など他の薬に見られる副作用の警告もない(もちろん他の警告、副作用の警告はある。例:尿閉のある患者、中等度または重度の腎臓病や肝臓病のある患者には処方すべきではない)
  • 製品の提供開始は10月下旬見込み

COBENFYは昨年末ブリストル・マイヤーズが140億ドルで買収したKaruna Therapeuticが研究開発していた薬剤で開発時の名称はKarXT。


まとめ

以上9月23日週にあったブリストル・マイヤーズの今後に影響を及ぼしそうな臨床関連の情報をまとめてみた。

Abecmaの方は新たな療法のこれ以上の試験を中止したということで、従来の療法からの新たな拡大可能性が一つ消えたことから株価は下落し寝る前はどこまで下がるかと思ったが、時間経過と共にやや持ち直してくれた。

一方でCOBENFYは発表以降の時間外取引では一時6%を超える上昇もしていたのだが、実際の本取引では最高でも3%を超える程度で、午後に入ってからはパッとしない市場推移もあってか

Abecmaとは逆にどこまで上がるかと思って寝たのに、結局前日比1.58%上昇に留まってガッカリ。

週間で見ると先述したように大きな上下動ではなかったが、23日週にあった発表は今後のブリストル・マイヤーズの業績に影響を与えそうな気がする。特にCOBENFYの方は昨年買収した企業であってブリストルの買収戦略が失敗には終わらなそうだし、新たなアプローチの向精神病薬という特殊性もあって期待が持てそうな気はしている。

ブリストルは10月31日に第3四半期の決算発表を予定しているので、そこでより具体的なCOBENIFYの見通しが発表され、それが今後の業績/株価に寄与する様なポジティブな内容であることを願いたい。

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