はじめに
2023年9月から
【円ベースでは何とか持ちこたえた月】2023年9月末米国株資産
【前月割った100万ドルを回復】2023年11月末米国株資産
上記まとめで触れていた様に米国では2024年会計年度(2023年10月~2024年9月)の予算策定に向けた協議が行われてきたのだが、本予算協議は難航しており上記2つはいずれも本予算策定までのつなぎ予算案を可決して時間を確保する形となっている。
そして2024年1月19日には11月に可決されたつなぎ予算案のうち、農業、エネルギー/水、軍事建設/退役軍人、輸送/住宅/都市開発の4分野向けの資金の延長期限が切れる予定となっており、個人的にはその動向次第で米国市場に悪影響を及ぼす懸念を持っていた。
そして今回も前々回、前回に続き3度目のつなぎ予算案が1月18日に可決/署名された。以下、その内容について確認し、状況を整理しておく。
米2024年会計年度の3度目のつなぎ予算
【これまでの経緯】
- 2023年9月末につなぎ予算が可決されない可能性が取り沙汰されていたが期限内に一応可決/署名
- 11月17日または各分野の歳出法が制定される日までのいずれか早い方を期限として、2023会計年度の各歳出法に基づく水準での歳出を認める
- ただしその後共和党マッカーシー下院議長の解任動議が可決。下院議長の解任は史上初めて
- 11月17日の期限内に2回目のつなぎ予算が可決/承認
- 農業、エネルギー/水、軍事建設/退役軍人、輸送/住宅/都市開発の4分野向けの資金が2024年1月19日まで
- それ以外の8分野(金融/サービス、商務/司法/科学、労働/保健/教育、国防、国土安全、内務・環境、立法、外交)は2024年2月2日まで
- 低所得者向け食料支援プログラムなどが含まれる農業関連法案を2024年9月まで
【今回のつなぎ予算】
- 1月19日の期限内に3回目のつなぎ予算が可決(これを書いている時点では大統領の署名待ち)
- 19日に暴風雪が予想され、議員らが週末に地元に戻るのが難しくなる可能性があったこともあって上下院とも採決を早めた模様
- ただし共和党が多数を占める下院(定数435:共和党220、民主党213、欠員2)では賛成314、反対108と前回(賛成336、反対95)よりも反対票が増加
- 農業、エネルギー/水、軍事建設/退役軍人、輸送/住宅/都市開発の4分野向けの資金が3月1日まで
- それ以外の8分野(金融/サービス、商務/司法/科学、労働/保健/教育、国防、国土安全、内務・環境、立法、外交)は3月8日まで
まとめ
自分が懸念していた様な議論紛糾で政府機関閉鎖という事態には今回もならなかったが、依然として本予算までは至らず3回目のつなぎ予算が可決されることとなった。
つなぎ予算は可決されたとはいえ今回のつなぎ予算が3月1日には切れるため、約6週間後にはまたこの問題が懸念材料として上がることになる。
現状を調べてみたところ
- 2024年1月7日のロイター報道によると上院のチャック・シューマー院内総務(民主党)と下院のマイク・ジョンソン議長(共和党)との間で、歳出規模をおおむね債務上限合意に沿った1兆5900億ドルとすることで合意されている模様
- しかし下院ではまだ共和党保守派が大規模な歳出削減や人工中絶などに係る法案の修正を求めている
という状況で、今回のつなぎ予算期間内に本予算が成立するかは不透明。なるべく早く本予算が成立して欲しいところだが、まだまだ懸念材料として頭に入れておく必要があるようだ。