ワーナーブラザース(WBD)の複数映画が公開延期(2023/8)

はじめに

2023年8月25日(金)の米国市場は、24日から行われているジャクソンホール会議で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演が25日の10時過ぎに行われた影響もあってか

一時は前日比マイナスに沈む局面もあったが、最終的にはいずれも前日から上昇して取引を終えている。

そんな中自分の所有するワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)は

前日比3.39%の下落と市場に比べてかなり見劣りのする動きだった。確認してみると掲題の県が影響したらしい。以下その点について整理しておくことにする。


ワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)の映画公開延期

以下はウォール・ストリート・ジャーナルの報道を受けて、広報担当者が24日の取引時間後に報道各社により詳細に明らかにした情報。

  • 以下の3本の映画公開を延期
    • Dune: Part Two(2023年11月3日⇒2024年3月15日)
    • Godzilla x Kong: The New Empire(2024年3月15日⇒2024年4月12日)
    • Lord of the Rings: The War of the Rohirrim(2024年4月⇒204年12月)
  • 映画の世界的なキャストと映画製作チームがプロモーション的に支援できる可能性が高い時期に公開を延期する

まとめ

特に今年度公開予定だった「Dune: Part Two」が来年に延期となったことがワーナーブラザースの株価下落に影響したと思われる。2021年に公開された「Dune: Part One」は全世界での興行収入が約4億ドル(製作費約1億6500万ドル)とCOVID-19下ではかなり健闘しただけに、続編となる「Dune: Part Two」への市場の期待は大きかったということなのだろう。

やや納得がいかないのは8月頭にあった2023年第2四半期決算でこの辺りに関する説明が不足していた様に思えること。もう一度カンファレンスコールを含めて確認してみたが、

  • スタジオ部門の不確実性はストライキにより増大した
  • コンテンツの制作と配信/公開に影響を与える可能性がある
  • 早急な解決を期待しているが、現在のモデリングでは9月初旬の職場復帰を想定
  • ストライキが年末まで長引いた場合、フリーキャッシュフローは(製作費が減少するため)数億ドルの増加し、調整後EBITDAが下振れると想定

といった程度で一応コンテンツ制作に関する不確実性が増したことについては触れているが、どちらかというと製作費減少という面を強調していた様に思える(自分の英語力のせいかもしれないが・・・)。

今のところ明らかになった公開延期はこの3本の映画だけだが、俳優/脚本家のストライキの影響が今後も出てくるのかもしれない。ワーナーもフリーキャッシュフローが注目される会社だが、ストライキが長引くと製作費減少よりも公開延期等により見込まれていたキャッシュが入ってこなくなる事態を改めて認識しておく必要があるだろう。

8月頭の決算を含めたワーナーブラザースの直近1ヶ月の株価は

8月4日の決算発表を受けて大きく上昇したもののその勢いは続かず、市場(S&P 500)が冴えない動きであるのも確かだがそれより大きい幅で下落し、結局市場と同程度のパフォーマンスとなっている。

今後のワーナーブラザース株だが、今回の報道と市場の動きからするとストライキが解決するまでは弱含みの推移が続くのだろう。結局この不確定要素が無くならない限りは株価が上昇する余地は少ないように思われる。しばらくは我慢の時が続きそうだ。なるべくこの「しばらく」が短いことを願いたい。

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