最後に翌々日も追加
はじめに
昨日まとめた様に2023年米銀ストレステストの結果が2023年6月28日の米国市場閉場後に発表された。
そのまとめは29日の米国市場開場前のものだったので、実際にストレステスト結果を受けて翌日の自分所有の米銀株シティグループ(C)、JPモルガン・チェースの株価がどうなったかについて確認しておくことにする。
2023年米銀ストレステスト結果発表翌日の自分所有米銀株
自分が参考としてよく使う主要米銀の株価
米銀株を比較する際には自分が所有しているシティ(C)とJPモルガン(JPM)に加えてウェルズ・ファーゴ(WFC)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)を加えていることが多い。
いずれも前日比上昇しているが自分が所有しているシティはほぼ横ばいで、その他3銘柄は2%を超える上昇と大きな差がある。
また同日の米国市場は
NASDAQ総合がほぼ横ばいでS&P 500もダウ工業平均も1%には届いていないことから、米銀株が好調だったことが伺える。同日のS&P 500銀行指数は2.6%上昇であり前日の米銀ストレステストが市場に好感されたのだろう。
自分の所有しているシティグループ株
上述のように銀行株が総じて好調な中で自分が所有するシティ株はプラスだったものの他の銀行株に見劣りがする。それでも日中の動きをみると
現地時間11時前後には前日比マイナスとなる局面もあったが最終的にはプラスで終えている。上値も開場直後に1%強上昇した程度でほかの米銀株と比べやはり見劣りがする。
シティが他の主要米銀株に比べて見劣りする結果となったのは、昨日のまとめでも触れた
「ただ自分の所有している米銀株シティグループ(C)で気にかかるのは、このストレステスト結果を受けてJefferiesのアナリストKen Usdin氏がシナリオに対する回復力が弱く必要な資本バッファーが大きく増加する可能性があると指摘している点」
といった事が影響したのだろう。ある意味前日の想定に沿った結果とも言える。
またFRBは6月30日の取引終了後に自社株買いや配当計画を発表することが可能としているが、シティは配当据え置きとの見方が大勢で一部報道では配当減に言及していることも影響したのだろう。
自分の所有しているJPモルガン株
一方でJPモルガン株は
開場直後から上昇し概ね3%台での推移が続いていた。
シティと日中の株価推移、最終的な終値に大きな差がついた理由は、
- ストレステストのシナリオに対するバランスシートの回復力が高い(シティは弱いと評価)
- 必要な資本バッファーが引き下げられる可能性が高い(先に挙げた4行中ではシティのみが引き上げられる可能性が高い)
- 6月30日の取引終了後に配当増(0.05ドル)が想定される(シティは据え置き)
といった要因が影響したものと思われる。
まとめ
以上米銀ストレステスト後の自分が所有している米銀株シティ、JPモルガンの株価について整理・確認してみた。
内容を見るとシティとJPモルガンでは主要な点が上述の通り対照的になっており、株価に差が出たのは致し方ないとも思える。そんな中結果的にシティが前日比プラスで終えられたことをよしとすべきなのだろう。
年初来のシティ、JPモルガンの株価を確認しておくと
S&P 500が11.5%上昇しているのに対し、シティは2.9%上昇、JPモルガンは9.0%の上昇となっている。両行とも3月、4月の米地銀破綻に端を発する低迷期間がありながらも、思ったより持ちこたえていて以外の感がある。
今後両行株価の方向性だが、6月30日閉場後の米銀ストレステストを受けての個別発表、7月半ばに予定されている2023年第2四半期決算発表(シティ、JPモルガン共に7月14日予定)を待たなければならないだろう。
両行(特に投資額の大きいシティ)ともに、何とか無難にこれらのイベントを乗り切ってほしいところだがさてどうなるか。シティの配当減に関する報道があったのが気になるところだが、それだけは避けてほしいものだ。
追記
さらに翌日6月30日の主要米銀株を見ると
JPモルガンがさらに1%を超える上昇となったのに対しシティはマイナスに転じており、ストレステスト発表後の株価傾向がそのまま続いた感がある。
今後のシティの先行きに不安を覚えたのだが、6月30日の閉場後に発表されたシティとJPモルガンの発表では
- シティ
- ストレス資本バッファー(SCB)要件が4.0%から4.3%に引き上げ
- 自己資本比率規制要件が12.0%から12.3%に引き上げ
- 2023年第3四半期の配当を@0.51ドルから@0.53ドルに増配
- JPモルガン
- ストレス資本バッファー(SCB)要件が4.0%から2.9%に引き下げ
- 自己資本比率規制要件が12.5%から11.4%に引き下げ
- 2023年第3四半期の配当を@1.00ドルから@1.05ドルに増配
と意外にもシティが配当増と上で書いた配当減(市場予想では配当据え置きが大勢)と逆の事態になっている。
この点や両行の資本強化の増減幅等が7月3日(月)の米国市場でどう判断されるのか。過度な期待や不安を抱かずに市場結果を待ちたいと思う。