はじめに
2023年2月14日(火)には自分が所有しているコカ・コーラ(KO)の2022年第4四半期決算発表があった。
前回の決算発表後には
「コカ・コーラ株は大きく上昇したり下落したりすることがあまりない銘柄であるので、このまま堅調な株価推移を続けて欲しいものだ。」
と書いていたのだが実際はどうだったのだろうか。以下決算の内容を整理し、株価推移も確認しておく。
コカ・コーラ(KO)2022年第4四半期決算概要
以下の内容はコカ・コーラの企業サイトより引用・抜粋。
- 2022年第4四半期の純売上高(Net Operating Revenues)は101億2500万ドルで前年同期比7%増加
- 2022年第4四半期のNon-GAAPベースの比較可能な一時項目を除く1株当たり利益(Comparable Diluted Net Income Per Share)は0.45ドルで前年同期と変わらず
- Operating Margin(営業利益率)はGAAPベースでは20.5%(前年同期は17.7%)、Non-GAAPベースでは22.7%(前年同期は22.1%)
その他
その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。
- 2023年も世界中で値上げを続けるが、先進国市場での値上げはインフレに伴って緩やかになる可能性が高い(2022年の平均炭酸飲料販売価格は11%上昇)
- IRS(米内国歳入庁)との進行中のロイヤリティに関する税務訴訟に関連して、コカ・コーラと同種の3Mの件で2023年2月9日に米税務裁判所が主にIRSを支持。この決定がコカ・コーラの税務訴訟に影響を及ぼすと予想している
- カンファレンスコールでは最終的には勝訴すると信じているとしており、また全体としてこれが資本配分計画を遂行し長期的な事業成長を推進する当社の能力に影響を与えるとは考えていませんともしている
2023年見通し
2023年通期の主な見通しは以下の通り。
【Non-GAAPベース】
- Organic Revenue(既存事業売上高)成長率:7~8%
- Comparable currency neutral EPS(為替を含まない調整後EPS)成長率:7~9%
- Comparable EPS(為替を含む調整後EPS)成長率:4~5%
- Free Cash Flow:95億ドル(114億ドルの営業キャッシュフローから設備投資19億ドルを差し引いたもの)
ただしこれらには
This does not include the impact of ongoing tax litigation with the IRS, if the company were not to prevail.
とIRSとの税務訴訟に勝てなかった場合の影響は含まれていない。
2023年第1四半期見通しの考慮要因は以下の通り。
【Non-GAAPベース】
- Comparable net revenues(比較可能な総売上):5~6%の為替の悪影響
- Comparable EPS(為替を含む調整後EPS):6~7%の為替の悪影響
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2022年第4四半期の純売上高(Net Operating Revenues)は101億2500万ドルで、市場予想の100億2000万ドルを上回っている
- 2022年第4四半期のNon-GAAPベースの比較可能な一時項目を除く1株当たり利益(Comparable Diluted Net Income Per Share)は0.45ドルで、市場予想と同じ
- 2023年通期のNon-GAAPベースのComparable EPS(為替を含む調整後EPS)成長率見通しは4~5%、市場予想は3%
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてコカ・コーラの株価は
1.67%の下落。同日の米国市場は
CPI結果を受けて不安定な動きでまちまちの結果だったが、それを考慮してもコカ・コーラの下落は大きいように思える。
日中の動きを市場(S&P 500)と比べてみると
13時以降市場が持ち直しているのに対してコカ・コーラ株はその流れに乗り切れていない。ただし、その理由は調べても今一つ判らなかった。特に決算内容が悪かった訳でもないと思うのだが。
前回の四半期決算10月25日からの動きも見てみると
その時点の株価は
で2022年末までは市場を上回っていたが2023年に入ってから流れが変わり、市場の上昇傾向に反してコカ・コーラ株は下落傾向となり今回の決算発表後に前四半期決算後の株価と同程度までになっている。
ここ数ヶ月の流れと今回の決算発表で株価が下落したことを考えると、しばらくは冴えない動きが続きそうな気がする。ただ冒頭に挙げたようにコカ・コーラはあまり大きな上下動は無い銘柄でもあるので、何とか今後は市場に追随するパフォーマンスとなってくれると有難いのだがなあ。