はじめに
2023年2月2日(木)には自分の所有しているブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)の2022年第4四半期決算発表があった。
ブリストル・マイヤーズは前回の2022年第3四半期決算はまずまずで、その際
「製薬メーカーは新薬の臨床試験で上下することがあるので油断は禁物だが、今後もこの状態が続くことを願いたい。」
と書いていたのだがその後どうだったのか。
以下に決算内容と株価について確認し整理しておく。
ブリストル・マイヤーズ2022年第4四半期決算概要
以下の情報はブリストル・マイヤーズ スクイブの企業サイトより引用・抜粋。
- 2022年第4四半期の総売上高(Total Revenues)は114億600万ドル、前年同期は119億8500万ドルで前年同期比5%減少(恒常為替ベースでは1%減少)
- 2022年第4四半期の1株当たり利益(Earings Per Share Non-GAAP)は1.82ドル、前年同期は1.84ドルで前年同期比1%減少
2022年第4四半期の主力製品の売上は以下の通り。
主力のEliquisは前年同期比ほぼ変わらずの1%増、Opdivoは11%増となっておりIn-Line全体では前年同期比4%増。New Product全体は前年同期比83%増だが、その規模はまだまだ小さい。そして特許保護が失われたRevlimidは前年比32%減少となっている。ただし市場予想は18億9000万ドルであり実際は22億6000万ドルで市場予想を上回っている。
2023年通期見通し
2023年の通期見通しは以下の通り。
【GAAPベース/Non-GAAPベース共通】
- 総売上高(Total Net Sales):~2%増加(レポートベース、恒常為替ベース共通)
- Revlimid売上:~65億ドル
- 粗利益率(Gross margin):~77%
【GAAPベース/Non-GAAPベースで違いがあるもの】
- 営業経費(Operating Expenses):
- GAAPベース:一桁台半ばの減少
- Non-GAAPベース:一桁台前半の減少
- 想定税率(Tax Rate):
- GAAPベース:~22%
- Non-GAAPベース:~17%
- 希薄化後一株当たり利益(Diluted EPS):
- GAAPベース:4.03~4.33ドル
- Non-GAAPベース:7.95~8.25ドル
その他
その他決算発表/アナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。
- アナリストとのカンファレンスコールで新製品ポートフォリオ(new product portfolio)の売上は2022年から約2倍の40億ドルを見込んでいると言及
- また新製品ポートフォリオのいくつかは臨床試験を経てリスクを大幅減することで売上増が見込めるともしている
特にOpdualag、Camzyos、Sotyktuの3製品は2022年から市場に出回ったにもかかわらず、臨床試験が上手く進めばいずれも40億ドル超の売上を見込めるとしている。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2022年第4四半期の総売上高(Total Revenues)は114億600万ドル、市場予想の112億ドルを上回っている
- 2022年第4四半期の調整後1株当たり利益(Non-GAAP Diluted EPS)は1.82ドル、市場予想の1.72ドルを上回っている
- 2022年第4四半期のRevlimid売上は22億6000万ドル、市場予想の18億9000万ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてブリストル・マイヤーズの株価は
2.16%の上昇。同日の米国市場は
大型ハイテク銘柄が大きく上昇したため、その比重が大きいS&P 500、NASDAQ総合が大幅高、ダウ工業平均は前日比マイナスという結果になっている。
その割にはブリストル株はまずまず頑張ったのではないだろうか。やはり特許切れのRevlimidが予想外にジェネリックに侵食されなかったおかげで、売上、EPSが市場予想を上回ったことが原因だろう。
それでも3ヶ月前の前四半期決算後の株価
からは上昇分を含めてもやや下落しており、2023年のRevlimid売上は~65億ドルと更に減少する見込みであり今後が安心と言う訳ではない。先に挙げた2022年から投入されたOpdualag、Camzyos、Sotyktuが2023年も堅調に売上を伸ばし、Revlimidの売上減少をカバーしてくれると良いのだが。