JPモルガン(JPM)2022年第2四半期決算(2022/7)

はじめに

一昨日7月13日に発表された6月の消費者物価指数が市場予想を上回り相変わらず強いインフレ圧力が伺える中、昨日米国時間2022年7月14日(木)から米国企業の四半期決算発表が本格化した。いつもの様に自分の所有しているJPモルガン・チェース(JPM)が先陣を切って四半期決算発表を行ったが、JPモルガンの決算は米企業の中でも最初期のため市場全体にとっても注目される重要な決算となる。以下その内容について確認・整理しておく。


JPモルガン・チェース2022年第2四半期決算発表まとめ

以下の内容はJPモルガン・チェースの企業サイトから引用・抜粋。

  • 総収入(Managed Revenue)は316億3000万ドルで、前四半期比ほぼ変わらず、前年同期比1%増
  • 純利益(Net income)は86億4900万ドルで、前四半期比4%増、前年同期比28%減
  • 希薄化後1株あたり純利益(EPS – diluted)は2.76ドルで前四半期比5%増、前年同期比27%減

純利益(Net income)/希薄化後1株あたり純利益(EPS – diluted)が前年同期比で20%超の大幅減少になっているが、これは前年同期が好調だったのであまり参考にはなるまい。

また2021年第4四半期までは1年半差し戻してきた貸し倒れ引当金繰入額(Reserve Build/(release))を前四半期に続き4億2800万ドル積み増している(前四半期は9億200万ドル積み増し)。ローンの増加と経済見通しの緩やかな悪化を反映しているとのこと。

その他

決算資料中で最高経営責任者(CEO)Jamie Dimon氏は、自社株買いを一時的に停止するとコメントをしている。これは先日のストレステストや今後のGSIB(Global Systemically Important Banks:グローバルなシステム上重要な銀行)によるより高い資本要件を迅速に満たすためとのこと(第2四半期には2億2400万ドル相当の自社株買いを実施している)。

具体的にはストレステストとGSIBの関連で、普通株等Tier1(CET1)比率の最低要件は来年2023年1~3月(第1四半期)までに2022年6月末時点の11.2%から12.5%に引き上げられるため、自社株買いに充てる予定の費用を資本要件引き上げに使用することになる。

2022年通期見通し

2022年の通期見通しに関しては以下3点。

  • 企業全体のCIBマーケット事業を除く純金利収(Net interest income excluding Markets):580億ドル超(前四半期は530億ドル超)
  • 調整後経費(Adjusted expense):770億ドル(前四半期と変わらず)

前四半期からは1点追加されている。

  • Card NCO(Net Charge-Off) rate(カード純貸倒償却率):2%未満

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2022年第2四半期の総収入(Managed Revenue)は316億3000万ドル、市場予想の319億8000万ドルを下回っている
  • 2022年第2四半期の希薄化後1株あたり純利益(EPS)は2.76ドル、市場予想の2.88ドルを下回っている

となっている。


まとめ

上記の様な内容を受けてのJPモルガン株は

約3.5%の下落。ただ取引時間中は一時5%を超える下げにもなったのに比べると下げ幅は縮小されている。これは米国市場全体が時間経過と共に持ち直した事が原因と思われる。

JPモルガンが下落した理由は、貸し倒れ引当金繰入額を積み増したことで希薄化後1株あたり純利益(EPS)が下がり市場予想を下回ったこと、そして自社株買い戻しの一時停止を発表したことが原因だろう。

ストレステストの結果を受けての時点でJPMは配当据え置きは言及したが自社株買い戻しについては触れられておらずアナリストも自社株買い戻しの削減については言及していたものの一時停止とまではしていなかったため、失望感が大きくなったのだろう。

同日の主要米銀株は

ウェルズ・ファーゴ(WFC)がややマシだったものの、JPモルガンから連想される決算への不安から大きく下落している。

年初来のJPモルガン株と市場(S&P 500)の推移を見てみると

市場の約20%下落に対しJPモルガンは30%を超える下落となっている。最近の市場低迷、FRB利上げの不透明さ、逆イールド現象など米銀株に期待できる要素はあまりないのが実状。今後も弱含みでの推移が続くのだろう。

JPモルガンは所有数が少ないので自分のポートフォリオへの影響は限定的だが、本日7月15日に決算を発表する同じ米銀株のシティグループ(C)がどうなるかが非常に不安。JPモルガンの方がシティに比べて堅調な決算発表をすることが多いので、シティが決算を受けて更に下落するのではないかという懸念がある。昨日のJPモルガン決算を受けての下落でシティ株が下落をある程度織り込み済みで本日のシティ決算内容が冴えなくてもシティ株がそれ程下落しないことを期待したいのだがどうなるか。

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