ブリストルの2022年売上見通し発表など(2022/1/11)

はじめに

2022年に入ってから自分のポートフォリオ中で資産額の多い銘柄に関するアップデートが多いのだが、昨日2022年1月10日(月)にはブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)にもアップデートがあった。以下にその内容について確認して整理しておく。


40th Annual J.P. Morgan Healthcare Conferenceにおけるプレゼンテーション

以下はブリストル・マイヤーズの企業サイトより引用・抜粋。

プレゼンテーションのハイライト

プレゼンテーションのハイライトとして以下の4点を挙げている

  • New product portfolio with significant growth potential(大きな成長可能性を秘めた新製品ポートフォリオ)
    • $10-$13 billion of risk-adjusted revenue in 2025(2025年のリスク調整後収益は100〜130億ドル)
    • More than $25 billion non-risk-adjusted revenue in 2029(2029年のリスク調整後収益は250億ドル超)
    • At least $4 billion of non-risk adjusted revenue in 2029 for each of the following recent or anticipated new products: Reblozyl, relatimab and nivolumab fixed dose combinationmavacamten and deucravacitinib(以下の最近のまたは想定される新製品のそれぞれについて2029年に少なくとも40億ドルの非リスク調整後収益(以下略))

  • Promising mid- to late-stage assets with large commercial opportunities(大きな商業的機会を持つ有望な中期から後期段階にある資産)

  • Powerful innovation engine driving a broad early-stage pipeline(幅広い初期段階のパイプラインを推進する強力なイノベーションエンジン)

  • Strong cash flow generation provides significant financial strength and flexibility(強力なキャッシュフロー生成により大きな財務力と柔軟性の提供)
    • 2022年から2024年の間に450億ドルから500億ドルのフリーキャッシュフローを想定

自社株買い戻し加速プログラム

上記Strong cash flow generation provides significant financial strength and flexibilityのスライドにもあるように、以前承認された総額150億ドルの自社株買い戻し加速プログラム(accelerated share repurchase(ASR))の内2022年第1四半期に50億ドルの自社株買いを行うことを発表。

2022年の財務見通しの提供

  • 2022年総売上(Total Company Sales):470億ドルまたは一桁台前半の成長
  • 2022年の主な独占権喪失製品(Key LOE Brands)売上:105億ドルまたは二桁の減少
  • 継続事業(Continuing Business)売上:365億ドルまたは二桁台前半の成長
  • 2022年のNon-GAAPベース希薄化後EPS:7.65ドル~7.95ドル

主な独占権喪失製品(Key LOE Brands)売上については2021年第3四半期決算発表のまとめ

ブリストル(BMY)2021年第3四半期決算(2021/10)

でも触れたRevlimid(レブリミド)とPomalystの特許期限が切れることに起因するもの。

長期財務目標の再確認

2021年1月に同じJ.P. Morgan Healthcare Conferenceで発表した以下の長期財務目標を再確認。

  • Expects low to mid-single digit revenue CAGR and low double-digit revenue CAGR excluding Revlimid and Pomalyst® (pomalidomide)at constant exchange rates
    恒常為替レートで一桁台前半から半ばの年売上成長率、RevlimidとPomalystを除いた場合は二桁台前半の年売上成長率を想定
  • Expects to maintain low to mid-40s percent non-GAAP operating margin
    Non-GAAPベースでの営業利益は40%台前半から半ばと想定
  • Expects significant cash flow generation of $45-$50 billion dollars from 2022-2024 compared to prior guidance of $45-$50 billion dollars from 2021-2023
    以前のガイダンスである2021年から2023年まで450億ドル~500億ドルのキャッシュフロー生成から、2022年から2024年までに450億ドル~500億ドルのキャッシュフロー生成を想定

CenturyTherapeuticsとBristolMyers SquibbのiPSC由来の同種異系細胞治療法を開発するための戦略的コラボレーション開始発表

以下はブリストル・マイヤーズの企業サイトより引用・抜粋。

  • Collaboration brings together Century’s industry leading iPSC-derived allogeneic cell therapy platform with Bristol Myers Squibb’s expertise in cell therapy and oncology drug development
    コラボレーションによりセンチュリーの業界をリードするiPSC由来の同種異系細胞治療プラットフォームと、細胞治療および腫瘍薬開発におけるブリストルマイヤーズ スクイブの専門知識が統合されます
  • First two programs include a program in acute myeloid leukemia and a program in multiple myeloma, which could incorporate either the iNK or a gamma delta iT platform
    最初の2つのプログラムには急性骨髄性白血病のプログラムと多発性骨髄腫のプログラムが含まれ、iNKまたはガンマデルタiTプラットフォームのいずれかを組み込むことができます
  • Century Therapeutics will receive $150M in cash ($100M upfront payment and $50M equity investment), with potential for additional $3B in payments plus royalties on global net product sales across multiple programs in hematologic malignancies and solid tumors
    Century Therapeuticsは、1億5000万ドルの現金(1億ドルの前払いと5000万ドルの株式投資)を受け取り、さらに30億ドルの支払いと、血液悪性腫瘍および固形腫瘍の複数のプログラムにわたるグローバルな純製品売上に対するロイヤルティの可能性があります

まとめ

上記の様に2022年1月10日のブリストル・マイヤーズ発表は盛りだくさんだったが、それらを受けてのブリストル株は

3.61%と大きく上昇。同日のダウ工業平均が0.45%マイナス、S&P 500が0.14%マイナス、NASDAQが0.05%の上昇だったのと比べると上昇幅が大きいのがよく分かる。

ただ情報過多のためどれがブリストル株の動きに寄与したかは今一つはっきりしない。2022年の売上見通しについては、ロイターの報道によるとRefinitivのIBESデータではアナリスト平均が478億ドルということでそれを下回る見通しとなっており、やはりRevlimid(レブリミド)の特許切れの影響は大きそうだが株価は上昇している。となるとCenturyTherapeuticsとの戦略的提携が好感されたのだろうか。

個人的にはまだ昨日ブリストルから提供された情報を市場が評価しきれていない気もするので、しばらくは気を付けてみておくことにしたい。来月2月4日の2021年第4四半期決算発表でこれらについてもより詳しい情報が提供されることだろう。

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