はじめに
ゼネラル・エレクトリック(GE)の事が以下の2つに続いて
GE株2020/3/5以来の10ドル台回復(2020/11)
GE株アップグレードと航空部門の追加削減(2020/11/25)
3日連続となってしまうが、今日もGE株に関する情報のアップデートをまとめておくことにしよう。
UBSアナリストのMarkus Mittermaier氏のGE目標株価引き上げ
投資格付け:Buyを維持
目標株価:9ドルから12ドルに上方修正
Mittermaier氏は10月23日に目標株価を8.5ドルから9ドルに引き上げたばかり(格付けは当時もBuy)なのだが10月23日はGEの第3四半期決算発表前であり、決算内容及び潜在的なコロナワクチンに関する今月の前向きなニュースが、GE株の「迅速な再評価(rapid re-rating)」を促したとしている。
まとめ
昨日は米国市場はダウ工業平均が0.58%、S&P 500が0.16%の下落、NASDAQが0.48%の上昇だったのだが、そんな中GE株は
とまずまずの上昇。ここ数日かなり上昇しているので、アナリストの目標株価引き上げもそれ程大きな株価上昇とはならなかったようだ。
またUBSのMarkus Mittermaier氏は以前にも触れたが、どちらかというとGEに対して強気な見方をする事が多いのは認識をしておく必要があるだろう。
今月に入って
ゼネラルエレクトリック株2020年11月13日の5%超上昇まとめ
や一昨日、昨日とGE株の上方修正が続いている訳だが、こうなると気になるのはJPモルガンのアナリストであるStephen Tusa氏のGEに対する評価。Tusa氏が最後にGE株に対して言及したのは8月末の事。
この際Tusa氏は、
- we are more negative on GE
私たちはGEにより否定的です - We see little equity value here
ここでは、株式の価値はほとんど見られません - the collapse of this forward estimate curve is coming soon
この(GEの)見込み(フリーキャッシュフロー)曲線の崩壊が間もなく始まる(と考えています) - Our simple math is that with a sector at 17x EBITDA, subtracting the 17x leverage burden here, equity value is below $5 and we are withdrawing our price target
私たちのシンプルな計算では、セクターがEBITDAの17倍であり、ここでレバレッジの17倍の負担を差し引くと株式価値は5ドル未満になるので、私たちは価格目標を撤回しています
としていた(投資格付けはHold)。
GEに対して弱気な見方をする事が多いTusa氏が、2020年第3四半期で明らかになった堅調なGEのフリーキャッシュフロー改善や積極的な債務返済、そしてボーイング737MAXの運航再開による航空機部門回復への明るい見通しなどを踏まえて、どういった分析・評価をするのか。最後にGEへのコメントを出したのが上記の様に約3ヶ月前。そろそろアップデートがあってもいい気がする。そしてTusa氏がGE株へ前向きな評価をすれば、個人的にはGE株に関してかなり安心感が増すのだがなあ。