はじめに
昨日は2020年11月23日のゼネラル・エレクトリック(GE)株10ドル越えとその要因についてまとめてみたのだが、24日のGE株も以下の様に続伸。
ダウ工業平均が1.54%、S&P 500が1.62%、NASDAQが1.31%それぞれ上昇に比べてもなかなかの上昇具合。調べてみると昨日のまとめとはまた別の報道があったための様なので、以下にまとめておく。
OppenheimerのアナリストChristopher Glynn氏のGE株アップグレード
投資格付け:PerformからOutperformにアップグレード
目標株価:10ドルから12ドルに上方修正
以下はGlynn氏の上方修正の要旨。
- 今年初めにGEがバイオ医薬品部門をダナハーに売却したことにより、GEの純負債は年初来で1330万ドル減少して年金債務を含めても346億ドルになるとしており、一方でその現金残高は67億ドル増加して243億ドルになっている
- GEのバランスシートが改善するのと同様に、同社のターンアラウンドの取り組みが着実に進んでいると。2022年までに1株あたりの中間フリーキャッシュフローが60セント、EPSが50セントになると予測している
- コスト削減が企業文化的に強化され、Culp氏のターンアラウンドが牽引力を得るにつれて、明らかに改善のペースが加速している
航空部門での追加人員削減報道
以下はウォール・ストリート・ジャーナルより引用・抜粋。
- General Electric Co on Tuesday warned of more job cuts at its aviation unit, citing a lengthy recovery for the airline industry from the impact of the coronavirus crisis.
ゼネラル・エレクトリック火曜日、航空部門で追加の人員削減を行う可能性があると警告した - The job cuts are the latest setback for the aviation sector, with the industry’s woes expected to last into 2021
人員削減は航空セクターの最新のセットバックであり、業界の苦境は2021年まで続くと予想されている - “As we continue to closely monitor market conditions, we are examining a range of options to appropriately scale our business to match the realities of the global airline industry recovery from the severe impacts of Covid-19,” the company said in a statement.
同社は声明で「市場の状況を引き続き注意深く監視しながら、COVID-19の深刻な影響からの世界の航空業界の回復の現実に合わせて事業を適切に拡大するためのさまざまなオプションを検討している」と述べた - In an internal video message delivered on Friday, GE’s aviation unit head John Slattery said additional job cuts would be a component of those options, a company official said.
航空部門責任者のJohn Slattery氏が20日に配信された社内向けビデオメッセージで、追加の人員削減が選択肢の一つになると表明したという
まとめ
上記2つの報道はいずれも昨日の米国市場開場前になされている。アナリストのアップグレードはともかく、航空部門の人員削減は最近のコロナワクチン報道やボーイング737MAXの運航再開報道からすると、株価のマイナス要因になるかと思うのだが昨日のGE株価を見る限りそれ程市場に重要視されなかったのか、格上げによって相殺されたのか判断に悩むところ。
それにしてもChristopher Glynn氏が挙げていたバイオ医薬品部門の売却はすっかり忘れていた。第一報があったのは2019年2月の事で、その後は四半期決算でも自分は気が付いていなかった。アナリストの評価は必ずしも正しいとは限らない、というのが個人的スタンスではあるが、専門に分析している人の情報収集とそれによって導出される結論は自分が納得するかどうかは別として参考になると改めて思う。