はじめに
2020年4月29日には所有銘柄の一つであるゼネラル・エレクトリック(GE)の2020年第1四半期決算の発表があった。
正直に言うと最近の新型コロナウイルスの影響による市場の大幅下落のため、投資額が多いもの、配当が無配・減配されそうなもの、この状況でも安定度が高い(と思われる)銘柄に目が行ってしまい、投資額は大きいがここ1年以上四半期配当が@0.01ドルとほぼ無配に近く、新型コロナウイルスの影響が出る前から投資価額比マイナスであるゼネラル・エレクトリックに関しての情報は3月初頭以降積極的に取得していなかった。これを機会に再度状況を整理しておきたい。
2020年第1四半期決算概要
以下の内容は、ゼネラル・エレクトリックの企業サイトより引用・抜粋。
- 2020年第1四半期の総売上高(Total Revenues)は205億2400万ドル、前年同期は222億200万ドルで前年同期比8%の減少(アナリスト予想の207億ドルを下回った)
- 2020年第1四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.05ドル、前年同期は0.13ドルで前年同期比62%の減少(アナリスト予想の0.08ドルを下回った)
- 2020年第1四半期のインダストリアル事業のフリーキャッシュフロー(純現金収支)は22億700万ドルの赤字、前年同期は12億1600万ドルの赤字で前年同期比81%赤字幅が拡大(アナリスト予想の20億ドルを下回った)
事業部別では、
となっており、ヘルスケア事業以外はいずれも低調。特に売上高でGE最大の航空機部門(GE Aviation)が受注・売上・収益それぞれ大きく減少しているのが目に付く。新型コロナウイルスのため世界的に航空輸送の需要が急減したことが影響しているのだろうが、それを考慮しても自分が3月のInvestor Callから想定していたよりも酷い。以下の発表資料にあるように
Investor Call(3月4日)があった後に前提となっていた市場動向が変わってしまったということなのだろう。
また財務状況に関しては決算発表資料の中で、
- In total, COVID-19 factors negatively impacted GE CFOA and GE Industrial free cash flow by approximately $1 billion, and negatively impacted GE Industrial profit by approximately $0.8 billion and GE Capital earnings by approximately $0.1 billion.
COVID-19の要因によりフリーキャッシュフローが約10億ドル減少し、インダストリアル事業の利益が約8億ドル、GEキャピタルの収益が約1億ドル減少した
と述べている。
そしてGEも他の多くの企業と同様に通年の見通しを撤回している。
まとめ
上に挙げたように主要な決算結果は市場の予測を下回っている。なまじ2019年第4四半期の決算、そして3月のInvestor Callで今後に(ある程度)期待感を抱かせる内容だっただけに、第1四半期の決算結果は自分の想定以上に悪かった。
決算発表後のGEの株価は
と3.24%のマイナス。ダウ工業平均が2.21%、S&P 500が2.26%それぞれ上昇していたことからも分かるように、この決算内容は市場から見ても失望を禁じえなかったのだろう。
年初来のGEの株価を見てみると、3月4日のInvstor Callの後は市場よりも大きく下落し、3月末からやや持ち直している感もある市場に関わらず、相変わらず低調な動きをしている。市場が10%程度の下落に対して、年初来40%近く下落している。
3月頭にGEに弱気な見方をしてきたアナリストのスティーブン・ツサ氏(JPモルガン)がGEの格付けを「Underweight(アンダーウェイト)」から「Neutral(中立)」に引き上げ、それに続くInvstor Callも悪くなかったのだがなあ…。
いずれにせよ、自分のGE株は
と投資額の半分以下になってしまっているので、売るに売れない塩漬け状態。何とかこの状態を早く乗り越えて欲しいものだが、決算資料を見る限り第2四半期も厳しい状況が続きそうだ。