FAAのみがボーイング737MAX耐空証明発行(2019/11)

はじめに

昨日11月26日に、掲題の内容を米連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)がボーイングに通知したというニュースがロイターで報道されていた。11月11日にボーイング社が発表した737 MAX Progress Report」の進捗に影響を及ぼすかもしれないので、その内容を整理しておくことにする。


ロイターの報道内容まとめ

以下はロイター通信の報道内容から引用・抜粋。

  • The Federal Aviation Administration said on Tuesday it notified Boeing Co that the agency will be the only issuer of airworthiness certificates for all new 737 MAX planes, a role that it had shared with the aircraft maker in the past.
    (FAAは火曜日(11月26日)、FAAが過去にボーイングと共有していた新しい737 MAX機の耐空証明の、唯一の発行者になることをボーイングに通知したと述べた)
  • The U.S. air regulator also repeated that it has not completed its review of the 737 MAX aircraft design changes and associated pilot training.
    (FAAは 同機の設計変更や、それに伴う操縦士の訓練に関する調査がまだ完了していないことも改めて述べた)
  • The agency said it will keep the authority to issue the certificates until it is confident Boeing has “fully functional quality control and verification processes in place” and that other Boeing procedures meet all regulatory standards.
    (FAAは、ボーイングが「十分機能する品質管理と検証プロセスを導入」し、その他の手順についても規制上の基準を満たすとが確信するまで、証明の発行権限を保持すると述べた)
  • “We continue to follow the lead of the FAA and global regulators,” Boeing spokesman Gordon Johndroe said by email. “They will determine when key milestones are achieved and when the fleet and training requirements are certified so the MAX can safely return to service.”
    (「ボーイングはFAAや海外の規制当局の指示に引き続き従います」と ボーイングの広報担当者ゴードン・ジョンドロー氏は電子メールで語った。「彼らは、主要なマイルストーンが達成され、機体とトレーニング要件の承認を判断して、MAXが安全にサービスに復帰できるようにします」)

まとめ

これは結局のところ、FAAが11月11日に発表したボーイング社のスケジュールに明確にくぎを刺したということなのだろう。

11日の発表以降の16日に、ボーイングのスタン・ディール民間航空機部門社長兼最高経営責任者(CEO)は、「われわれは引き続き12月の型式認証につながるようないくつかの目標を置いている」と説明しつつ「FAAが認証手続きに(具体的な)時間軸を設けないと表明しており、われわれはこれに従う」と語っていた。

この発言の背景は、 15日にFAAのディクソン局長がFAAの安全部門のトップに宛てたメモで「データに基づく系統的な分析、安全な運行再開に向けた飛行制御システムと操縦士の訓練の見直しと認証手続きを堅持」するよう促し、「こうした取り組みは暦やスケジュール表に左右されない」と述べ、YouTubeの動画メッセージで「実際に自分が飛行し、ためらいなく自分の家族を乗せられると納得できるまで、737MAX機を認証しない」と言明し、認証手続きに当たる職員に対しては「迅速な737MAX機の運航再開に向けかなりの圧力が存在することを理解しているが、必要な時間をかけ、安全にのみ焦点を置いてもらいたい」と述べていた、ことがある。

これを受けてまた737MAXの引き渡し、運航再開のスケジュールが遅れる可能性が高くなった気がする。来月12月は自分の定期購入タイミングなので、その前に737MAXの引き渡し、運航再開のスケジュールが明らかになれば、ボーイング株を購入候補としての検討もあり得たのだが、この報道からすると購入タイミング時にはまだスケジュールが不明瞭なままな気がするので、ボーイングは購入検討対象にはならない可能性が高い。個人的にも安全優先という当局の姿勢は至極妥当だと思うので、認証が完了するのを待ってから購入検討をすることにしよう。

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