シティ(C)のCFOによる最新情報アップデート(2024/9)

はじめに

2024年9月9日(月)の米国株式市場は、先週S&P 500、NASDAQ総合が2024年最悪の週間パフォーマンスだった反動もあってか

主要3市場がいずれも1%を超える上昇。

そんな中で自分のポートフォリオの主力であるシティグループ(C)は

0.76%と市場には劣るものの前日比上昇。しかし自分が寝る前には好調な市場の中マイナス圏に沈んでおり、

しかも急速に下落したことから何らかの原因があったのだろうと思いつつ就寝した。起床して調べてみたところ掲題の件が影響していたようだ。以下、その内容について確認しまとめておく。


2024 Barclays Global Financial Services ConferenceにおけるシティCFO(最高財務責任者)Mark Mason氏の講演

以下はシティの企業ページより引用・抜粋。BarclaysのLarge Cap Bank Equity Research AnalystのJason Goldberg氏との質疑応答の形の講演。

【今後の米金利見通し】

  • マクロ経済の見通しを見ると不確実性という一貫したテーマがまだ残っている
  • ありがたいことにインフレの沸騰は収まりつつあり金利が下がる可能性が少し明確になっており、夏を通して25ベーシスポイント、50ベーシス ポイントなどの引き下げ幅について議論が続いている
  • 総合的に見て、当社のエコノミストは次の2回の利下げで50ベーシスポイントの引き下げ、その後25ベーシスポイント、つまり今年末までに3回の引き下げ、そして2025年まで引き下げを継続し、比較的ソフトランディングすると予想している
  • したがって、現時点では企業と消費者のバランスシートの回復力と強さについてかなり良い感触を持っている

【進行中の変革作業】

  • 変革作業については、前四半期に民事罰金という形で規制当局からフィードバックを得て、十分に迅速に動いていないというフィードバックを受けた分野であるリスクとコントロールを強化し、コンプライアンス、アクティビティ、データを管理する方法に関するガバナンスを改善するという点に引き続き注力している
  • 各取り組みの進捗状況についていわばレビューを実施していおり、スケジュールが遅れている取り組みについては、その取り組みに提供されているリソース サポートや、スケジュール通りに戻すために必要な追加リソースサポートを明示している。これは規制当局の要求に応えるだけでなく、適切なプロジェクト管理にも応えることになる
  • 同意命令への対応は数年かかる道のりで、これほどの規模の改革を行う際には常に試行錯誤が伴うが、我々が行っている作業がビジネスモデルにとって有利になるように取り組んでいる

【2024年第3四半期の見込み】

  • 投資銀行の手数料は前年比で約20%増加すると見ている
  • FICC(Fixed Income, Currencies and Commodities)では、昨年の第3四半期が金利と為替で非常に好調でおそらく過去10年間で最も好調な四半期だったため市場収益は昨年10%増加した。そのため今年の第3四半期を見るとコンセンサスとほぼ一致するパフォーマンスが見られるが、前年比で約4%減少すると見ている
  • 総信用コストは約27億ドル

通期見通し

  • Revenues(収入)の見通し800億ドル~810億ドルは達成できると確信
  • 経費見通しガイダンスは引き続き535億ドル~538億ドルで、FDIC費用や民事罰金を除いた上限の可能性が高い。民事罰金をカバーできるかどうか懸命に努力する。下半期は上半期よりも少し多くなるが、合計するとガイダンスと一致する

【資本比率と自社株買い】

  • 当社のCET1資本比率は13.6%で、ストレス資本バッファーの減少を踏まえると10月1日に予想される12.1%の規制要件をはるかに上回っている
  • 自社株買いについては不確実性があるため四半期ごとに検討するが、明日のBarr氏(Michael S. Barr氏、FRB副議長/金融規制担当)の講演でバーゼルIIIの進展*について明らかになるため、それが重要な要素になるだろう

*Barr氏の講演でバーゼルIIIの進展

米連邦準備制度理事会(FRB)などの規制当局は、銀行の資本規制強化案の大幅修正を近く公表する方針で9月19日公表される可能性があるという報道が週末になされている。


まとめ

以上シティグループの最高財務責任者Mark Mason氏の講演について簡単にまとめてみた。他の主要米銀が

同じ時間帯にそれ程下げていない(同じタイミングで下がっているのはシティにつられてのことだろう)ことから講演の内容に対しての反応であったことは間違いないだろう。講演のどの部分がシティの株価下落に直接的な影響を与えたかは不明だが、変革にさらに数年かかるとしたことが原因の気はする。それでも時間の経過と共に他行程ではないものの値を戻したのは、就寝前は理由もわからずシティだけが前日比マイナスに沈んでいて不安だっただけに、市場の上昇に助けられた感もあるものの結果的には良かったと言える。

そして講演内でも触れられたFRB副議長Michael S. Barr氏の講演におけるバーゼルIIIの進展に関する発言、9月19日とも言われている新たなバーゼルIIIの内容が米銀株にどの様な影響を及ぼすのかにも注目していきたい。

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