ワーナーブラザースがNBA放映権の入札に応じる(2024/7)

はじめに

先週自分の所有しているワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)について、NBAの放映権に関する最新状況を簡単にまとめたが、昨日2024年7月22日(月)に進展があった。

以下、その内容について整理しておく。


ワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)傘下のTNTスポーツ発表

以下はワーナーブラザース・ディスカバリーの報道向けアナウンスより。

  • We have reviewed the offers and matched one of them
    我々はオファーを検討し、そのうちの1つにマッチさせました
  • This will allow fans to keep enjoying our unparalleled coverage, including the best live game productions in the industry and our iconic studio shows and talent, while building on our proven 40-year commitment for many more years
    これにより、ファンは業界最高のライブゲーム及び象徴的なスタジオショーやタレントを含む比類のない番組を引き続き楽しむことができ、さらに今後何年も我々の実績ある40年間の取り組みを積み重ねていくことができます
  • Our matching paper work was submitted to the league today. We look forward to the NBA executing our new contract
    我々のマッチングペーパーは本日リーグに提出されました。我々はNBAが新しい契約を実行するのを楽しみにしています

2024年5月にNBA放映権の状況をまとめた際に、「ワーナーブラザース・ディスカバリーはNBAが契約を締結する前に第三者のオファーにマッチングできる権利があるとの報道」と書いていたが、その権利を行使したようだ。声明では先週報道のあったコムキャスト(CMCSA)傘下のメディア大手NBCユニバーサル、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の動画配信サービス「プライム・ビデオ」のいずれに対するマッチングオファーなのかは言及していない。


TNTスポーツのマッチングオファーを受けてのNBA放映権に関する報道

以下はロイター通信、ウォール・ストリート・ジャーナル誌、AP通信の報道より引用・抜粋。

  • TNTスポーツのオファーは、アマゾンのプライム・ビデオが提示した1シーズン平均18~19億ドルとのマッチング
  • NBAは先週TNTスポーツに対し、NBAがいずれかの入札に応じるかどうかを通知する5日間の期間を設けたと通知していた
  • マッチングオファーを受けてTNTスポーツが放映権を獲得できるかは不明
  • マッチング条項ついて、WBD幹部は現行契約の「不可欠な部分」であり、その対価を支払っていると説明。もしNBAがマッチング入札を拒否すれば、法的措置がとられる可能性もある
  • NBAの広報担当者は「WBDの提案を受け取って検討中」とコメント
  • アマゾンはコメントせず

まとめ

TNTスポーツの声明は米国株式市場閉場後に出されたようで、WBD株にどの様な影響を与えるかは不明。ただし、あくまで上述したようにマッチングオファーをしただけで、そのオファーがNBAにすんなり受け入れられるかも不透明で、場合によっては訴訟に発展する可能性もあるらしい。また放映権を獲得できても、その費用を考えるとWBD株が単純に上昇するのかもわからない。

早ければ今週中にも決着するらしいが、どういう結末を迎えるのか。そしてその結果WBD株にどの様な影響を及ぼすのかに注目しておきたい。先週のWBDまとめ以降にも英フィナンシャル・タイムズが、株価を押し上げるためWBDがデジタルストリーミング事業とスタジオ事業をレガシーTVネットワークから分割する計画を検討していると報道したことで、やや株価が上昇しているので、その流れを損なわないで欲しいものだ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。