はじめに
2026年6月24日(水)の米国市場閉場後に2026年の米銀ストレステスト結果が公表されたのは既にまとめたが、それを受けて自分の所有銘柄であるJPモルガン・チェース(JPM)も同日に発表を行っている。
例年であれば米銀ストレステストの数日後に、個別行がストレステストの結果を受けて自己資本などを加味した発表を行っていたのだが、今回のストレステストは自己資本要件には影響を与えないことが事前に発表されていたこともあってか、ストレステスト結果発表と同日にJPモルガンも発表となっている。
以下、JPモルガンの発表内容について確認し整理しておく。
2026年ストレステストを受けてのJPモルガン発表
以下はJPモルガン・チェースの企業サイトより引用・抜粋。
今回のストレステストについて
- 2026年2月、FRBはJPモルガン・チェースを含む大手銀行に対するストレス資本バッファー(SCB)要件を2027年9月30日まで現行水準に据え置くこと、およびパブリックコメントを反映した改定後の監督用モデルに基づき2027年に新たな要件を算出することを発表した。本報告書には、当行の2026年SCB要件に関するそれ以上の情報は含まれていない
そのためJPモルガンのストレステスト(シナリオはFRBと同じだが、予測モデル、手法などは異なる)結果にはSCBに関する新たな記述はなかった。ちなみに現在のJPモルガンのSCBを含む標準化普通株式等Tier 1(CET1)資本比率の規制要件は
- Regulatory Capital Minimum(最低規制資本要件): 4.5%
- G-SIB Surcharge(グローバルなシステム上重要な銀行への上乗せ): 4.5%
- Stress Capital Buffer(SCB:ストレス資本バッファー): 2.5%
で11.5%となっている。
四半期配当の増配
- 2026年第3四半期の普通株式四半期配当を1株当たり1.65ドル(現在は1株当たり1.50ドル)に増額(10%の増配)する予定であると発表
新たな自社株買戻しプログラムの承認
- 当社取締役会は、2026年7月1日発効の500億ドル規模の新たな自社株買いプログラムを承認
- この自社株買いの承認は経営陣の裁量で行われ、新たな承認に基づく自社株買いの金額および時期は様々な要因によって決定される
最高経営責任者(CEO)Jamie Dimon氏のコメント抜粋
- 当社の強固なバランスシートは、多額の余剰資本と潤沢な流動性を備えており、揺るぎない基盤として、お客様と地域社会に継続的に貢献することを可能にしている
- 現在の環境はますます複雑化するリスクを反映しており、当社はこれまでと同様2026年の監督当局による極めて不利なシナリオを含む、幅広いシナリオに備えている
- 取締役会が意図する配当増額は、事業への継続的な投資と堅調な財務実績によって支えられている
- 新たな自社株買いプログラムは、長期的に株主価値を高める方法で資本を柔軟に活用することを可能にする
昨年(2025年)のストレステスト時には「銀行が極めて高い想定上のショックにも耐え、経済全体と金融市場を支えるという強靭性を示し続けている」、「潤沢な余剰資本と強固な流動性を備えた強固なバランスシートは、我々が金融の柱となることを可能にしており」などの発言もあったが、今回は比較的穏当なコメントとなっている。
まとめ
以上、2026年米銀ストレステストを受けてのJPモルガンの発表ついて確認してみた。
事前に予想されていた通り、ストレステストを踏まえた自己資本に関する新たな情報は無かったが、無難にストレステストを通過したことにより四半期配当の増配や新たな自社株買戻しプログラムが承認されたことは好材料であったと言えるだろう。
とJPモルガンの発表時は好意的に受け止めていたのだが、その後1週間が経過した7月2日(木)(3日(金)は米国市場閉場)までの株価推移を市場(S&P 500)と比べてみると

ストレステスト結果を受けての上昇は一時的なもので、残念ながらストレステスト結果はJPモルガンの株価上昇のキッカケとはなっていないことが判る。それでも上述の通り配当増や自社株買いの発表があり、市場と同程度のパフォーマンスであることを良しとすべきだろう。
年初来の株価推移も見てみると

3月末に一時年初来10%を割り込み、その後は市場の上昇に及ばないパフォーマンスが続いていたが、6月前半に盛り返して年初来プラスとなっている(やはり市場のパフォーマンスには及ばないが)。
最近の経済指標でFRBの金利政策がどうなるかが不透明な状況の中で、2026年7月14日(火)に予定されているJPモルガンの2026年第2四半期決算発表が、今回のストレステスト以降横ばいとなっている株価が上昇するキッカケとなるような内容であることを願いたい。