はじめに
2026年6月29日(月)の米国株式市場は

米イラン間の緊張が先週に比べ和らいだこともあってか、ハイテク銘柄を中心に大きく上昇。ダウ工業平均もの伸びは低いが終値での最高値を更新するなど堅調な株価推移だったのだが、掲題の通りAT&T(T)、ベライゾン(VZ)、T-Mobile(TMUS)といった米大手通信株は

市場の上昇に反して大きく下落(一時はいずれも5%超の下落)している。
気になって調べてみたところ、6月26日(金)の米国株式市場閉場後にブルームバーグが以下の報道をしていたことが原因だったようだ。
以下にその内容について整理しておく。
2026年6月26日(金)米国株式市場閉場後のブルームバーグ報道
- 情報筋の話として、SpaceX(SPCX)とインターネットプロバイダーのチャーター・コミュニケーションズ(CHTR)が、米国における一般消費者向け携帯電話サービスの提供に関する提携について、経営陣レベルで協議を行ったと報道
- チャーター・コミュニケーションズはスペースXの携帯電話通信トラフィックの一部を、自社の地上インターネットインフラを通じて処理する可能性がある
- チャーター・コミュニケーションズは既に「Spectrum Mobile」というブランドで携帯事業を展開しているが、この既存のハイブリッド手法(Wi-FiとMVNOの組み合わせ)をSpaceXとの提携にも応用する形となるだろう
この報道が大手通信業者に与える影響としては以下のものが考えられるため、6月29日の大幅下落に繋がったものと思われる。
- これまでSpaceXはT-Mobileと提携し、Starlink衛星を使ったDirect to Cellサービスのテストを進めていたが、報道によればこの形が崩れることになりT-Mobileの優位性が損なわれる可能性が出て来た
- チャーター・コミュニケーションズのSpectrum Mobileは自前の基地局を持たないため現在はVerizonやT-Mobileのネットワークを借りて運営されているが、チャーター・コミュニケーションズが通信をSpaceX(Starlink)へシフトしていけば、VerizonやT-Mobileはチャーター・コミュニケーションズから得ていた巨額の回線レンタル料を失うことになる可能性が出て来た
- チャーター・コミュニケーションズの固定インターネット/ブロードバンド顧客は約3000万回線(2026年第1四半期決算時点)であり、この地上ネットインフラとSpaceXの高速衛星通信が融合すると、大手通信事業者が大きなコストと時間をかけて光ケーブルを敷設する必要性が薄れる可能性
ちなみに同日のチャーター・コミュニケーションズ株は

と大きく上昇(一時は10%を超える上昇)している。
まとめ
以上、2026年6月29日の米大手通信銘柄の大幅下落についてまとめてみた。
自分の所有銘柄であるAT&T(T)の年初来の株価推移を見てみると

と4月から下落傾向、6月の投資格付けアップデートで年初来安値となり、今回の報道で更に年初来安値を更新する状況となっている。
今回の報道内容が現実のものとなるかどうかは不明だが、上述の直近AT&T株の推移を見る限りでは今後に期待出来そうにはない。2026年4月の決算時には
「今後のAT&T株だが、今回決算発表と同日に同業他社のドイツテレコムとTモバイルの経営統合報道があったため、決算内容自体がどう評価されたのかはしばらく様子を見る必要がありそうだ。個人的には決算内容自体は良かったと言って良いと思うので、下落傾向に転じることは無いと思いたい。ただ年初来の株価はマイナス5%~プラス15%超と幅が広く、方向感に乏しい動きとなっているので注意していきたい。」
とある程度の期待を持っていたのだが、ものの見事に外れてしまっている。
2026年7月22日に予定されているAT&Tの2026年第2四半期決算で、この様な状況に対してどの様な対応を取るつもりなのかが注目されるが、正直あまり期待は出来ないだろう。何とかこの下落傾向に早急に歯止めがかかって欲しいものだが・・・。