米中の関税90日間大幅引き下げ後の市場と米株資産(2025/5)

はじめに

2025年5月12日(月)には

米中の関税90日間大幅引き下げとこれまでの動き(2025/5)

でまとめた様に米中の関税が90日間それぞれ従来の米国から中国への関税145%、中国から米国への関税125%が一律115%引き下げられ、米国から中国へ30%、中国から米国へ10%の関税となった。

この発表を受けて最初の米国市場がどうなったか、また自分の米国株ポートフォリオ資産の動きについて、以下確認してまとめておく。


同日の市場

米国主要3株式指数

米中の関税90日間引き下げ合意を受けていずれも上昇。上昇幅が大きい順にNASDAQ総合、S&P 500、ダウ工業平均となっているので、指数の比重から考えてハイテク銘柄が特に上昇幅が大きかったのだろう。

米国10年債

取引開始直後から利回りは大きく上昇して始まり、その水準を維持して取引を終えている。米中の合意により、(ここ最近はそうでもないのだが)安全資産と見なされる米国債から株式等に資金がシフトし、国債利回り上昇(つまり国債価格の低下)となったのだろう。

ドル円為替

昨日米中の関税90日間引き下げ合意をまとめた際に、米国市場開場前までのドル円為替の動きについては触れたが、米国市場/日本市場を経てもドル円為替は1ドル=148円前後でほぼ変わらない水準の動きとなっている。


自分の米国株ポートフォリオ資産

5月12日閉場後の自分の米国株ポートフォリオ資産は以下の通り。

1.75%上昇したとはいえ、主要3株式指数に比べると見劣りのする上昇幅。

やはり大型ハイテク銘柄を所有していないため上昇幅が限られたこと、そしてポートフォリオ内訳をみると分かるように全面高ではなく、4月からの米中関税懸念が強かった際に下落幅が大きくなかったいわゆるディフェンシブ銘柄(コカ・コーラ(KO)、マクドナルド(MCD)、モンデリーズ(MDLZ)など)が前日と変わらずから下落、不景気に強いとされるタバコ銘柄(フィリップ・モリス(PM)、アルトリア(MO))が下落、そして年初来まずまずだったAT&T(T)も下落(通信業界全体も下落)だったことが、自分の米国株ポートフォリオ資産がそこまで上昇しなかった理由となっている。

上述した昨日下落した(あるいは低調だった)銘柄は、米国の関税措置による市場の下落が激しかった際にそこまで下がらなかった(あるいは上昇した)銘柄であり、今回の米中合意でこれらの銘柄から米国の関税措置時に大きく値を下げた銘柄に乗り換える動きとなったためなのだろう。


まとめ

やはり前日に「米中の関税懸念が和らいだことから大幅上昇が見込まれており」と想定していた通りに米国株式市場は大幅高。

正直米国市場の上昇程に自分の米国株ポートフォリオ資産が上昇しなかったことは残念だが、そこまで悲観することはないだろう。というのも昨日を入れてもS&P 500は年初来で0.64%の下落とほぼ横ばいなのに対し、自分のポートフォリオ資産は7.04%の上昇となっているので。

ここから重要となるのは、

  • 90日間の関税引き下げ期間中に米中がどの様な合意に達するか(あるいは達しないか)
  • 中国以外の米国からの上乗せ分関税の一時停止90日も約1ヶ月を経過した時点でイギリスとしか合意に達していない
  • 米国の貿易相手国への一律10%関税はそのまま残っている
  • トランプ政権の特に関税に関して短期間に大きく変わる施策/方針
  • 短期間に変わる状況を各種経済指標/景況感にどう反映されるか(タイミングも含め)
  • 上記状況を市場がどう判断し反応するか

といった点であり、今回の米中合意で多少経済減速への懸念がやわらいだとはいえ、まだまだ安心できる状況からは程遠いと個人的には思っている。少なくともトランプ政権発足前と比べると懸念要素が単純に増えていることは確かだろう。

従って、今後も上記の様なことを気にしながら自分の米国株資産を見守っていくことになるおのだが、トランプ政権がこれ以上世界経済減速や自分の所有銘柄下落となるような施策を打ち出さないことを願いたい。

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