はじめに
2023年10月31日(火)には自分の所有銘柄であるGEヘルスケア・テクノロジーズ(GEHC)の2023年第3四半期決算発表があった。
前回2023年第2四半期決算は市場がプラスだったのに対してやや下落に終わっており
「今後のGEHC株だが、決算を受けて上昇しなかった事やその後も冴えない動きである事を考えると株価上昇にはあまり期待できない状況が続きそうだ。何とかこれ以上大きく下落せずに現在の株価水準を維持してもらいたい。」
と書いていたのだが、最近の市場下落と同様に冴えない動きが続いている印象。
そんな中、最新の決算とそれを受けての株価はどうだったのか。以下内容を確認し、整理しておく。
GEHC2023年第3四半期決算概要
以下の内容は、GEヘルスケア・テクノロジーズの企業サイトより引用・抜粋。
- 2023年第3四半期の総売上高(Total Revenues)は48億2200万ドル、前年同期は45億7600万ドルで前年同期比5%(Non-GAAPベースでは6%)の増加
- 2023年第3四半期の継続事業ベース希薄化一株あたり利益(Diluted EPS – continuing operations)は0.83ドル、前年同期は1.07ドルで前年同期比22.4%の減少
- 2023年第3四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.99ドル、前年同期は1.20ドルで前年同期比17.5%の減少
- 2023年第3四半期のスタンドアロンベース調整後一株あたり利益(Standalone Adjusted EPS)は0.99ドル、前年同期は0.87ドルで前年同期比13.8%の増加
継続事業ベースのEPSが前年比で減少となっているのは、GEからの分離後の支払い利息の影響によるもの。
- 2023年第3四半期のフリーキャッシュフロー(純現金収支・Free Cash Flow)は5億7000万ドル、前年同期は5億4800万ドル
事業部別業績
【Imaging(イメージング)】
売上は26億3500万ドルで前年同期比5%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は3億1800万ドルで前年同期比19%増加、EBITマージンは12.1%で前年同期は10.6%。
【Ultrasound(超音波)】
売上は8億1500万ドルで前年同期比1%減少(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は1億7900万ドルで前年同期比15%減少、EBITマージンは22.0%で前年同期は25.6%。
【Patient Care Solutions(患者ケアソリューション)】
売上は7億6400万ドルで前年同期比9%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は8000万ドルで前年同期比23%増加、EBITマージンは10.5%で前年同期は9.3%。
【Pharmaceutical Diagnostics(医薬品診断)】
売上は5億8900万ドルで前年同期比12%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は1億6600万ドルで前年同期比4%増加、EBITマージンは28.2%で前年同期は30.5%。
2023年通期見通し
2023年の通期見通しは以下の通り。
- 既存事業成長率(Organic Growth):6~8%(前回と変わらず)
- Adjusted EBITマージン:15.0~15.5%(前回と変わらず)
- Adjusted ETR:23.0~25.0%(前回と変わらず)
- Adjusted EPS:3.75~3.85ドル(前回の3.70~3.85ドルから下限を上方修正)
- Free cash flowコンバージョン:85%+(前回と変わらず)
その他
その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。
- 最近米国での顧客動向調査を完了したが、2023年下半期と今年上半期の設備投資に対するセンチメントに大きな変化は見られない
- (2024年の見通しについての質問)この時点ではガイダンスを提供することはしないが、2024年に向け設定された受注バックログには非常に満足している
市場予測との比較
- 2023年第3四半期の総売上高(Total Revenues)は48億2200万ドル、市場予想の48億1000万ドルを上回っている
- 2023年第3四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.99ドル、市場予想の0.90ドルを上回っている
まとめ
上記の様な決算を受けてGEヘルスケアの株価は
前日比5.38%の上昇。同日の米国市場も
前日比でやや上昇して取引を終えているが、GEHCの上昇幅は際立っている。売上、EPS共に市場予想を上回り、通期見通しでもAdjusted EPSの下限を上方修正したのに加えて、2024年も明言はしなかったものの堅調な業績が期待できそうなことをカンファレンスコールで匂わせていたいたことが好感されたのだろう。
とはいえ過去3ヶ月のGEHC株の推移を見てみると
市場(S&P 500)も8.6%下落しているものの、GEHCは昨日の5%上昇を含めても15%近い下落となっている。
ただ年初来でみると
7月下旬までの貯金がモノをいって市場の9.23%上昇に対して14%の上昇となっている。
今後のGEHC株だが、今回の決算を受けて上昇傾向に転じることが出来るのかに注目。個人的にはカンファレンスコールでは特に悪材料が見受けられなかったので、やや期待できそうな気もするのだがどうなるだろうか。