はじめに
2022年8月26日には米商務省が2022年7月の米個人消費支出(PCE:Personal Consumption Expenditure)を発表したのだが、同日には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がジャクソンホールで講演を行っており、その内容が市場に大きく影響を及ぼしPCEの方はあまり市場に重要視されなかった感がある。
とはいえPCEもFRBが政策金利を決定する際の情報の一つとして重要であり、市場に大きな影響を及ぼすこともあるので、その内容を改めて確認しておくことにする。
2022年8月27日米商務省発表の2022年7月の米個人消費支出(PCE)指数
以下は米商務省経済分析局(U.S. Bureau of Economic Analysis(BEA))のサイトより引用・抜粋。
【前月比】
- 全体では前月比マイナス0.1%で市場予想は横ばい。前月に比べてマイナスとなったのは2020年4月以来
- 変動の大きい食品とエネルギーを除くと前月比0.1%で市場予想は0.2%。伸び率は2021年2月以来最も低くなっている
【前年比】
- 全体では前年比6.3%で市場予想は6.4%。伸び率は2022年1月以来最も低くなっている
- 変動の大きい食品とエネルギーを除くと前年比4.6%で市場予想は4.7%。伸び率は2021年10月以来最も低くなっている
いずれも前月、前年より低く市場予想も下回る結果となっており単月で見ればインフレ緩和の兆候と取れる気もするが、FRBがインフレ目標としている2%を未だ大きく上回っており、この前月/前年を下回る状況が複数月続かないとまだまだインフレ抑制の確信は持てない。
まとめ
あくまで個人消費支出(PCE)指数のデータの確認だけだが、実際には更に細かく何に支出したのか、個人所得、賃金、貯蓄率などのデータも提供されており、それらの見方次第でインフレに対する見解は大きく変わってくる(実際の記事を見ても見解はまちまちだった)。また個人消費支出(PCE)指数は重要ではあるがあくまで一つの経済指標であり、その他の経済指標の内容/関連性もインフレ状況を判断する上で重要になってくる。
今後FRBがこういった情報を元に政策金利に対してどういう判断をするのか、景気後退に陥らずにインフレを抑制できるのか、そして市場がどういった反応をするのか自分には全く予想が出来ない。まだまだ方向感がつかめない神経質な動きをする様な気はしている。
願わくばインフレの解消がハードランディングとはならず、自分の資産/配当への影響が極小化されることを期待したい。そしてある程度長いスパンで資産動向を見るようにし、日々の上下動についてはなるべく気にしないでストレスが溜まらないように努めよう。