はじめに
2022年4月27日には自分が所有しているボーイング(BA)の2022年第1四半期決算発表があった。
ロシアのウクライナ侵攻の影響もあってボーイングを含めた所有個別株の情報をきちんと追えていないが、この決算内容を確認しボーイングの状況を整理しておきたい。
ボーイング2022年第1四半期決算発表
以下の内容はボーイングの企業サイトより引用・抜粋。
- 2022年第1四半期の売上高(Revenues)は139億9100万ドルで、前年同期比8%減少
- 2022年第1四半期の純損失(Net Loss)は12億4200万ドルの損失、前年同期は5億6100万ドルの損失
- 2022年第1四半期の一株当たり損失(Loss Per Share)は2.06ドルの損失、前年同期は0.92ドルの損失
- 2022年第1四半期の調整後中核事業一株当たり損失(Core Loss Per Share)は2.75ドルの損失、前年同期は1.53ドルの損失
- 2022年第1四半期のフリーキャッシュフローはマイナス35億6500万ドル、前年同期はマイナス36億7800万ドル
- 2022年第1四半期の財務状況は総債務(Total Consolidated Debt)が577億ドル、前四半期から4000万ドル減少
事業部別業績
【Commercial Airplanes(商用機部門)】
- 2022年第1四半期の商用機の引き渡しは95件、前年同期は77件で23%の増加
- 売上は41億6100万ドルで前年同期比3%の減少
- 損失は8億5900万ドル、前年同期は8億5600万ドルの損失。787の検査や修理のために今四半期3億1200万ドルの費用が発生、合計では2023年までに約20億ドル発生する見込み
- 次世代大型機777Xの初号機納入を2年遅らせ2025年にすると発表。これにより次四半期から合計約25億ドルの追加費用が発生する見通し
- 受注残は4200機以上で2910億ドル
【Defense, Space & Security(防衛・宇宙・セキュリティ部門)】
- 売上は54億8300万ドルで前年同期比24%減
- 利益は9億2900万ドルの損失で前年同期は4億500万ドルの利益
- 受注残は600億ドル。うち33%は海外からの注文
【グローバルサービス部門】
- 売上は43億1400万ドルで前年同期比15%増
- 利益は6億3200万ドルで前年同期比43%増
その他
- 787の納入再開に向けて米連邦航空局(FAA)に認証計画を提出
- 2022年通年でキャッシュフローを黒字化する目標は変更なし
- ウクライナ侵攻に関連して2億1200万ドルの費用を計上
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2022年第1四半期の売上高(Revenues)は139億9100万ドル、市場予想の160億1000万ドルを下回っている
- 2022年第1四半期の調整後中核事業一株当たり損失(Core Loss Per Share)は2.75ドルの損失、市場予想の0.26ドルの損失よりも悪い
- 2022年第1四半期のフリーキャッシュフローはマイナス35億6500万ドル、市場予想のマイナス29億2000万ドルよりも悪い
となっている。
まとめ
上記の様な決算結果を受けてボーイング株は
7.53%の下落。同日の米国市場が
ほぼ変わらずで終わったのと比べるとボーイングの下落の大きさが際立つ。
売上、調整後中核事業一株当たり損失、フリーキャッシュフローの主要決算項目がいずれも市場予想を下回ったり、次世代大型機777Xの納入が2年遅れるのに伴って追加の費用が発生するなど発表もあったので致し方ないところだろう。
決算翌日も含めて年初来の株価を市場(S&P 500)と比較してみると
市場が約10%の下落に対してボーイングは約23%の下落となっているが、この差はボーイングの決算前の4月26日から顕著に表れている。ちなみに4月26日にボーイング株が下落したのは同日にボーイングにエンジンを供給しているゼネラル・エレクトリック(GE)の決算発表があり、GEが約10%下落したのに引っ張られたのだろう。
自分のボーイング株は4月28日閉場後時点で
と取得価額に比べてプラス16.8%にまで下がっており、ここ最近の下落を考えると取得価額割れも頭に入れて置いた方がいいのかもしれない。
今後に期待できるのは787の納入再開に向けてFAAに計画を提出したことと、2022年通年でキャッシュフローを黒字化する目標を維持した事だろうか。何とかこれらが上手く行って欲しいものだ。