はじめに
自分の所有米国株が1日で3%を超えて変動することは割と少なく、基本的にその場合はこうして確認しているのだが、昨日は掲題の通りウォルト・ディズニー(DIS)株が
4.15%上昇していた。ダウ工業平均が0.36%、S&P 500が0.35%、NASDAQが0.21%いずれも上昇はしているものの1%に満たない上昇率の中で、4%超の株価上昇はなかなか。
以下にその理由について確認しておくことにする。
2021年7月12日のディズニー(DIS)株4%超上昇の理由
先週公開の映画「Black Widow」が好調
以下の情報はウォルト・ディズニーの企業サイトより引用・抜粋。
- 7月12日に発表された初週興行成績は全世界で2億1500万ドル超
- Disney+のPremier Accessで6000万ドル超
- 北米の劇場収入が8000万ドル超
- 北米以外の劇場収入が7800万ドル超
- コロナ禍以降での全米初週興行収入で最高記録(2019年12月のStar Wars Episode IX: The Rise of Skywalker以降)
- 劇場とDisney+のPremier Accessでの公開週末の合計額が、コロナ禍以降の映画で初めて1億ドルを突破
アナリストが投資格付け、目標株価を維持
JPMorganのアナリストAlexia Quadrani氏が7月12日に見解をアップデート。
投資格付け:Overweightを維持
目標株価:220ドルで変わらず
【投資格付アップデート要旨】
- 現在の水準は長期投資家にとって「特に有利なエントリーポイント(particularly favorable entry point for the long-term investor)」
- スタジオ事業ではPremierAccessを使用したDisney+での今週末のBlackWidowの成功後も持続的な劇場収益の改善が見込まれます
- Disney+の加入者数の伸びは順次鈍化すると予想していますが、8月31日にラテンアメリカでStar+を開始するためDisney+の加入者数はさらに増えると予想しています
- テーマパーク事業は順調に回復しており、ウォルトディズニーワールドでは顧客の訪問意向が2019年のレベルに戻ったため、第4四半期には正規化されたレベルに達する可能性があります
- 投資家はデジタル加入者の並外れた成長とディズニーの優れたコンテンツを引き続き評価する必要があります
スポーツチャンネルESPN+の月次/年次サブスクリプション価格の引き上げ
- ESPN+の月額を1ドル引き上げて$6.99、年額は10ドル増の69.99ドル
- ESPN+は現在約1400万人の加入者
- 最近の主なESPNの契約コンテンツアップデート
- 8月から独占的にLaLiga(サッカー)の試合のストリーミングを開始
- ウィンブルドンテニスの放映権を2035年まで12年間延長
- 来シーズンからゴルフPGAツアーのライブ配信
まとめ
上に挙げた3つの理由の内、ESPN+の値上げはディズニー株の上昇に寄与したとは必ずしも得言えないが、他の2つは明確に株価上昇に貢献したといえるだろう。
昨日は上昇した訳だが年初来のディズニー株を見てみると、
3月上旬に200ドルを超えてからは昨日、一昨日を別にすると基本的に右肩下がり。市場(S&P 500)と比べても
やはり見劣りがする。
3月のウォルト・ディズニー2021株主総会時点では、テーマパークが順次制限付きとはいえ営業開始予定だったので右肩上がりになると思っていたのだが、そうはならずの状態が続いていた。今回のアナリストの見解等を受けてその流れに変化があるのかどうか。8月12日(木)の米国市場閉場後に予定されている第3四半期決算発表の内容がどうなるかに注目しておきたい。