はじめに
昨日の米国市場はダウ工業平均が0.58%、S&P 500が0.29%、NASDAQが0.40%それぞれ上昇しており、最近の上下動の激しい終値と比べると幾分落ち着いていた気がする。
そんな中自分の所有する銘柄の一つであるダウ・インク(DOW)は
4.48%と市場を大きく上回る上昇をしていた。
ダウ・インクの情報はアメリカでもあまり活発には報道されないので取れない事が多いのだが、昨日の上昇に関してはたまたまこれという情報があったので以下にまとめておく。
併せてダウ・インクは昨年の3月に購入していたので、その点についても整理しておくことにする。
3月17日のWells Fargoの目標株価アップデート及びその前段
掲題の通り、昨日ダウ・インク株が上昇したのはWells Fargoが目標株価を上方修正したことが理由のようだが、よく調べてみるとその半月前3月2日に同じWells Fargoが投資格付けと目標株価を上方修正しており、今回はその補足という形に近い。そこで3月2日のアップデート内容から整理しておくことにする。
Wells Fargoのダウ・インク株3月2日アップデート
投資格付け:Equal-WeightからOverweightに上方修正
目標株価:60ドルから77ドルに上方修正
以下はWells FargoのアナリストMichael Sison氏の見解要旨。
- 強い市場の需要と2月の大寒波による供給への影響との組み合わせは(ダウの)収益にとって上昇要因になるだろう
- 米国の汎用化学物質生産の約75%が大寒波の週に閉鎖され、生産停止は年初に業界全体にあった需要の弱さを相殺する以上となる
- 特にポリエチレンとポリウレタンの市場(polyethylene and polyurethane markets look promising)は有望に見える
ちなみにBank of AmericaのアナリストSteve Byrne氏も2月22日にダウ・インクをSellからHold、目標株価を53ドルから64ドルに上方修正している。
Wells Fargoのダウ・インク株3月17日アップデート
投資格付け:Overweightを維持
目標株価:77ドルから80ドルに上方修正
目標株価を上方修正した理由としてWells FargoのアナリストMichael Sison氏は、2021年第1四半期にダウ・インクが1.66ドルの1株当たり利益(EPS)と予想されることを挙げている。
過去1年のダウ・インクの株価推移
以下は過去1年のダウ・インクの株価推移。
ダウ工業平均も50%超となっているが、ダウ・インクはほぼ右肩上がりで150%近い上昇となっている。
自分が昨年3月にダウ・インク株を購入した際は手数料込みで@28.6957ドルで購入したのだが、よくここまで上昇してくれたと思う。現在でも税引前配当率は4%台(購入時は10%超の配当率)を維持してくれており、四半期配当は約3.5万円と完全リタイアをして配当金生活を送るのに十分な貢献をしてくれている。
ダウの買い足し時に最後まで迷ったコカ・コーラ(KO)を比較してみると
コカ・コーラは8.6%の上昇となっているので、ここ1年で見てみればダウ・インクを選んだのは正解だったと言えるだろう。
まとめ
ダウ・インクの3月17日株価上昇のまとめと、それに伴って1年前に購入して以来の株価推移を振り返ってみた。ここ1年のダウ・インク株は予想以上に堅調に推移していると言ってよいだろう。
ただこれはあくまで「現時点からの過去1年」を見た場合である点には注意。ダウ・インクは2年前にダウ・ケミカルから三社分割しているので、それ以来の株価推移を見てみると、
市場(ダウ工業平均)とそれ程変わらないパフォーマンスに留まっている。
COVID-19前の株価を考えると、現在のダウの株価が今後も右肩上がりで上昇していくのかはやや懸念が残る。配当も三社分割してから2年間増配無しで据え置きとなっている。
そう考えるとダウ・インク株の今後に過度な安心・期待は禁物だろう。望むらくはそろそろ配当増をして欲しいのだがなあ。