はじめに
先日2020年4月21日に自分が所有しているコカ・コーラの2020年第1四半期決算発表があった。コカ・コーラは個人的な印象として自分の所有銘柄の中では安定的な印象があるので、決算内容の確認も他の所有株数の大きい銘柄や、サプライズがありそうな銘柄の確認を優先してしまい、決算の情報整理がやや後回しになってしまう嫌いがある。本当はそういう銘柄を買い足していくのが自分の性格にはあっているのだろうかと思いつつ、その決算内容を整理しておく。
コカ・コーラ(KO)2020年第1四半期決算概要
以下の内容はコカ・コーラの企業サイトより引用・抜粋。
- 2020年第1四半期の純売上高(Net Operating Revenues)は86億100万ドルで前年同期比1%減少
- 2020年第1四半期の一時項目を除く1株当たりの利益(Comparable Diluted Net Income Per Share)は0.51ドルで前年同期比6%増
第1四半期の主なUpdateとしては以下の様に述べている。
この中でやはり気になるのは数値ではなく、「Provide Update on Business Environment Amid Coronavirus Pandemic」としている部分の内容。プレゼンテーション資料で以下の様にまとめられている。
4月に入ってからの販売量減少(Volume Decline April Month-to-Date)が25%となっており、スライドの下に「Expecting a Temporary but Significant Impact on the Second Quarter」(一時的ではあるが、第2四半期は大きな影響が出る)としている。となるとやはり3月の第1四半期まではなんとかまずまずの業績だったのが、4月以降の第2四半期にはその影響が顕著に表れるということなのだろう。
そして通期の見通しは以下のようになっている。
最初に「Unable to provide an update to our full year 2020 financial outlook(2020年通期の見通しのアップデートは提供できません)」とあるのは、ある意味正直ではある。
まとめ
主要指標を市場の予測と比較してみると以下の様になる。
- 2020年第1四半期の純売上高(Net Operating Revenues)の86億100万ドルは市場予想の82億8000万ドルを上回っている
- 2020年第1四半期の一時項目を除く1株当たりの利益(Comparable Diluted Net Income Per Share)は0.51ドルで、市場予想の0.44ドルを上回っている
という結果。これだけ見ると悪くはない。
ただ決算発表のあった4月21日はダウ工業平均が2.67%、S&P 500が3.07%それぞれマイナスと、市場全体が下落傾向であったせいかコカ・コーラも2.47%のマイナス。上に挙げた第2四半期に落ち込みが予想されることや、通年の見通しのアップデートが出来なかったことも悪材料だったのだろう。
新型コロナウイルスの影響はまだまだ不確実な部分があるが、第2四半期が厳しくなるという見通しは4月中旬から決算発表をしている企業に概ね共通するところであり、コカ・コーラに関しても特に大きなサプライズはなかった決算内容だったと個人的には思う。
補足として決算発表の翌日4月22日にコカ・コーラは四半期配当の発表をしており、一株当たり配当@0.41ドルと前四半期から変わらず。ただ、前回は増配しており今年に入ってから58年連続の増配をしている点は気に留めておくべきだろう。
コカ・コーラは3月の自分の米国株定期購入の際に最後まで選択肢にあった銘柄。次回もこの内容だと選択肢に入れるべきなのだろうか、それとも第2四半期の落ち込みを見込んで避けるべきなのだろうか。難しい。年初来の株価の動きを見てみると、
ダウ工業平均、S&P 500よりも下落率がやや大きいが、ほぼ市場と同じぐらいのパフォーマンスではある。こういった特殊な事態の際に値動きが市場と変わらないのは冒頭に言及したように安定的な銘柄だと思うし、その点を自分の株購入の考慮要素としてもっと組み入れるのもありなのかもしれない。