はじめに
昨日2019年12月12日は、米中貿易に関してトランプ大統領が「Getting VERY close to a BIG DEAL with China. They want it, and so do we!」とツイートしたことが寄与して、米国市場は大きく上昇していた(ダウ工業平均が0.79%、S&P 500が0.86%上昇)。それに関連して自分の所有銘柄を確認してみると、ゼネラル・エレクトリック(GE)が4.28%と市場に比べて大きく上昇していた。しかもニューヨーク証券取引所での昨日出来高は第1位だった。
なぜここまでゼネラル・エレクトリック株が昨日取引が活発で、かつ上昇していたのか確認しておくことにする。
12月12日のGE株上昇の原因
米国の報道を調べてみると、UBSのアナリストであるマルクス・ミッターマイヤー(Markus Mittermaier)氏ががゼネラル・エレクトリックの投資格付けを「中立(Neutral)」から「買い(Buy)」とし、目標株価を11.50ドルから14ドルに引き上げたことに起因しているようだ。
以下は12月11日の米国市場閉場後に発表されたUBSの投資家向け158ページの調査レポートより引用・抜粋。
- “We believe the stock is at a positive inflection point into 2020,”
「GE株は2020年に向けてプラスの転機にあると考えている」 - “Analyzing GE is not trivial and requires a detailed segment level analysis. This is what we have done. Our view is based on a multitude of proprietary data.”
「GEの分析は簡単ではなく、詳細なセグメントレベルの分析が必要です。これが私たちがやったことです。私たちの見解は多数の専有データに基づいています。」
実際の詳細な分析内容は割愛して結論を非常に簡単に要約すると、ミッターマイヤー氏、あるいはUBSのまとめとしては以下の通り。
- GEの債務返済とフリーキャッシュフローの改善が投資格付けと目標株価引き上げの主な理由。GEのインダストリアルキャッシュフローは来年には23億ドルになると見込んでいる
- 2020年に12%、2021年に29%GEの増益を見込んでいる(特にGE-Aviation(GE傘下の航空機エンジンメーカー)とヘルスケア部門の貢献による)
- GEの2021年のEPSを0.87ドルと見込んでいる。ちなみに、GEに対してbearish(弱気な)分析が多いJPモルガンのアナリストのスティーヴン・ツサ(Stephen Tusa)氏の2021年のEPS予想は0.37ドル。そしてツサ氏のGEの目標株価は最新では5ドル。
まとめ
上記のUBS/ミッターマイヤー氏のbullish(強気)な見方を市場がある程度の信ぴょう性をもって受け止めたことが、GEの株価上昇の原因だったようだ。
いつも思うが、アナリストの格付け変更の内容が正しいかどうかは別として、それが行われると株価が大きく変動することが多い。内容をできる限り客観的に受け止め自分の投資の参考にすることが肝要だろう。来年1月に行われるだろうGE四半期決算の内容が、強気なミッターマイヤー氏、弱気なツサ氏、どちらの見込みに沿ったものになるか注目したい。
ただ個人的には、最近の配当重視という投資スタンスに基づき今月の定期購入でGEを追加することはない。必ずしも配当重視ではなく、どちらかと言えば株価重視だった10年前(40歳前後)の自分だったら、かなり判断に迷っただろうなあ。