はじめに
昨日2020年5月13日の米国市場閉場後に自分の所有銘柄の一つであるシスコ・システムズ(CSCO)の決算発表があった。前四半期の決算はあまりよろしくなかったため、新型コロナウイルスの影響が市場に出る前であった2月上旬決算発表後に5%超の大幅下落となっていた。今回はどういう決算内容となったのか。
2020年第3四半期決算概要
以下はシスコ・システムズの企業サイトより引用・抜粋。
- 2020年第3四半期の売上高(Revenues)は119億8300万ドル、前年同期は129億5800万ドルで、前年同期比8%の減少
- 2020年第3四半期の純利益(Net Income)は27億7400万ドル、前年同期は30億4400万ドルで、前年同期比9%の減少
- 2020年第3四半期の一株あたり利益(EPS)は0.65ドル、前年同期は0.69ドルで、前年同期比6%の減少
2020年第3四半期のNon-GAAPベースの一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)は0.79ドル、前年同期は0.78ドルで、前年同期比1%の増加
製品カテゴリごとの売上は以下の通り。
相変わらず売上の多いインフラストラクチャプラットフォーム部門の減少が目に付く。セキュリティの売上増加傾向は変わらないが、売上の半分以上を占めるインフラストラクチャプラットフォームの下落が続いていてはなあ。
またシスコは2020年第4四半期の見通しについても明らかにしている。
売上高見通しは前年比8.5~11.5%減としており、Non-GAAPベースの一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)は$0.72~0.74としている。いずれもあまり良い見通しとは思えない。
まとめ
主要な決算数値は上述のように前年比を下回る状況が続いており、次四半期の見通しもあまりパッとしないのだが、今回の決算結果を市場予想と比べてみると、
- 2020年第3四半期の売上高(Revenues)は119億8300万ドルだったが、アナリスト予想平均の117億ドルを上回っている
- 2020年第3四半期のNon-GAAPベースの一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)は0.79ドルだったが、アナリスト予想平均の0.69ドルを上回っている
- 2020年第4四半期売上高見通しは前年比8.5~11.5%減で114億7000万~118億6000万ドルとしており、アナリスト予想は118億2000万ドル
となり、第3四半期の結果は市場予測を上回ったことになる。ただ市場予測を上回ったからといって今後に期待が持てる内容ではないだろう。
本来であれば、昨年に発表したCisco 8000シリーズがインフラストラクチャプラットフォーム部門の売上に貢献したのだろうが、この新型コロナウイルスの影響下では企業は直ぐにコスト削減効果のある投資以外はしないだろうから、新製品は売上にあまり貢献していないように思える。シスコのビジネス向けビデオ会議アプリ「WebEX」の需要は、コロナウイルスによる在宅勤務で増えたとのことだが、それでもアプリケーション部門の売上も減少している。
本日のシスコの株価がどうなるかは不明だが、個人的には次回6月に予定している自分の定期購入時には購入検討対象に入れるほどではないだろう、というのが決算からの感想ということになる。