ディズニー、コムキャストからHulu経営権取得へ(2019/5)

はじめに

ひと月程まえに、ディズニー傘下のHuluがAT&T保有の自社株買い戻しを実施したばかりなのだが、今度はディズニーがコムキャストからHulu株を取得するとの発表があったのでまとめておく。


2019年5月14日のHulu株取得詳細

以下は、ロイターの記事より引用。

  • ウォルト・ディズニー(DIS)は、米ケーブルテレビ大手コムキャスト(CMCSA)と動画配信サービスHuluの経営権を取得する協定を締結し、即日発効したと発表した
  • 協定の一環として、ディズニーは早ければ2024年1月にコムキャストが保有するHulu株33%を取得することが可能。同時にコムキャストもHulu株売却を求めることができる
  • ディズニーはHuluの価値として最低275億ドルを保証するとしている
  • Huluは直近でAT&Tが保有していたHulu株9.5%を取得したが、コムキャストはその資金を一部提供することで合意した
  • またコムキャストはNBCユニバーサルの番組やライブチャンネルの配信を巡るライセンス契約を2024年末まで延長するほか、自社プラットフォームでのHulu配信に合意した

まとめ

この結果はウォルト・ディズニー、コムキャスト双方にとって一見良いように思われる。

ディズニーははHuluに対して、よりコントロールが効くことになり、柔軟な対応ができることになる(Huluのプログラムそのもの、ディズニー・プラスとの競合プラン、など)。

コムキャストはHuluの価値として最低275億ドルが保証され、金銭的なメリットが大きい。

ただHuluそのものが今後どうなっていくのかはよく分からなくなってきた。2019年初頭は、AT&T傘下のワーナー・メディア、コムキャスト傘下のNBCユニバーサル、21世紀フォックス、そしてディズニーがいずれも30%以下の割合で保有していたのだが、ディズニーの21世紀フォックス買収AT&TのHulu株売却が立て続けに起こり、これまでとは提供プログラムに様々な影響が(良くも悪くも)出てくる様な気がする。また、ディズニー自身も2019年4月の時点で、2023年度か2024年度までにフールーの米国事業が黒字化するとの見通しを示している(逆に言うとそれまで黒字化は見込めないということ)。

結局自分にとって一番重要なのは、この発表によって長期的にウォルト・ディズニーの株価がどうなるかという点。

この発表後の両社の株価はディズニーが終値1.4%高の133.21ドル、コムキャストの終値は1.5%高の42.91ドルとなっている。ただしこの日は全体的に市場が上昇した日であり、自分の所有銘柄も以下の様に

多くの銘柄が上昇しているので、この発表がウォルト・ディズニーの株価にとってそれ程大きな影響があった訳ではなかったという事になる。

実際記事を整理してみると、ウォルト・ディズニーのHuluに対する経営支配が強まるのは確かだが、今後Huluがどうなっていくか具体的には述べられていないので当然と言えば当然なのか。ただ、ウォルト・ディズニーがHuluに対するコントロールを手に入れた、という点はやはり中長期的には大きなポイントではあると思うので、そこを忘れずに頭に入れておくことが重要だろう。

正しい認識をしたからといって最適な選択が出来る訳では当然ないのだが、間違った認識で選択を失敗するとそのダメージは非常に大きくなるので、少なくともそれは避ける様にこれからも気を付けたい。勘違いあるいは古い情報を元に株式の購入検討をしてしまうことが、たまにあるからなあ…。

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