はじめに
現地時間2026年2月3日(火)にトランプ大統領が米2026会計年度2回目となるつなぎ予算に署名した。
今回は1月下旬に
米2026会計年度予算現状と政府機関閉鎖の可能性(2026/1)
でまとめた際に懸念していた通り、前回のつなぎ予算と同様に期限に間に合わず一部政府機関の閉鎖を招いたが、政府機関の閉鎖は4日間に留まった(前回は43日間)。
以下、成立したつなぎ予算案の内容とそれを受けての米国市場の動きを確認し、整理しておくことにする。
米2026会計年度2回目のつなぎ予算概要
米2026会計年度予算現状と政府機関閉鎖の可能性(2026/1)
でまとめて以降の主な経緯と成立したつなぎ予算案の概要は以下の通り。前回まとめ時点では
- 12の歳出法案のうち、6法案が大統領の署名まで済んで成立
- 残り6の歳出法案は
- 下院は可決済み
- 上院の審議・採決待ち
という状況だった。
- 2026年1月30日
- 上院が国土安全保障のみを2週間のつなぎ予算(2月13日まで)とし、他の主要5歳出法案については2026会計年度末(2026年9月末)までの通年予算とする修正案を可決(賛成71、反対29)
- 2026年1月31日
- 1月30日の上院修正案は下院で採決される必要があり、それが週明けに持ち越され(2月2日まで下院は部分休会)前回つなぎ予算の期限1月30日に間に合わなかったため、一部の政府機関が再び閉鎖
- 2026年2月3日
- 上院の修正案を僅差(賛成217、反対214)で可決(米東部標準時14時過ぎ)
- その後トランプ大統領が速やかに署名して歳出法案5つ/つなぎ予算案が成立
これで米2026会計年度予算は
- 12の歳出法案のうち、11法案が大統領の署名まで済んで成立
- 残りの国土安全保障に関する歳出法案は2月13日までのつなぎ予算が成立
という状況となった。
また1月30日までに成立しなかった6つの歳出法案に関する政府機関が4日間とはいえ閉鎖されたため、労働省関連の以下の経済指標に影響が出ることになった。
- 1月米雇用統計: 2月6日に予定されていた1月分の発表が延期
- 雇用動態調査(JOLTS): 2月3日に予定されていた12月分の発表が延期
いずれも発表日がいつになるかは現時点では不明。
つなぎ予算が成立した2026年2月3日の米国市場の動き
米国株式市場

主要3株式指数いずれも同じ様な動きで下落して取引を終えている。ただS&P 500の日中の動きを見てみると

14時ぐらいまでは下落傾向が続いていたが、下院でつなぎ予算案が可決されるとやや持ち直している。下院での採決は可決されるかどうかやや不透明だった(実際可決は既述の通り賛成217、反対214の僅差だった)こともあって、成立が一応の安心感を持って受け止められたようだ。
ちなみに株式市場が下落傾向となった主な理由は、Anthropic社のエージェント型コーディング支援ツールClaude Codeが、Appleの開発環境Xcodeにおけるサポートを発表したことで、AIによる開発自動化が既存のソフトウェア業界のビジネスモデルを脅かすとの懸念(AI Disruption)を呼び、ソフトウェア株が大きく下落したためと思われる。
関連しそうな主な銘柄ではセールスフォース(CRM)が6.85%、データドッグ(DDOG)が7.28%、アドビ(ADBE)が7.31%、アトラシアン(TEAM)が7.65%、シノプシス(SNPS)が8.46%、インテュイット(INTU)が10.89%と、いずれも5%超の下落となっている。
米国10年債

取引開始直後は利回りが上昇(債権売り進む)して始まったが現地時間12時過ぎ(東部標準時13時)ぐらいからは利回りが低下し、そのまま取引を終えている。
米国株式市場とは異なり予算案が可決された影響はほとんど無し。現地時間12時過ぎの利回り低下は恐らく短期国債の入札結果を受けての事だろう(ただし変動幅は小さい)。
ドル円為替

米国株式市場の開場は米東部標準時9:30~16:00で上記GMTチャートでは14:30~21:00。
米国株式市場の開場少し前に一時ドル高となったが、開場直前からドル安傾向となり1ドル=156円前後から1ドル=155.6円台まで。しかしその後はややドル高となり1ドル=155円台後半での推移が続いていた。
そして日本市場が始まる(上記GMTチャートでは2月4日0:00時)とともにドル高となり1ドル=156.5円を超え、2月4日の米国市場開場前時点では1ドル=156円台後半での推移が続いている。
ドル円為替も米予算の動向とは関係のない推移となっている。
まとめ
結局1月30日までの期限に間に合わなかった歳出法案6つに関連する政府機関は4日間の閉鎖を余儀なくされ、労働省予算に関連して米雇用統計及び雇用動態調査(JOLTS)の発表が延期されることにはなったが、12歳出法案のうち国土安全保障を除く11歳出法案は2月3日に成立ということになった。
そして市場は予算成立が伸びたことによる4日間の一部政府機関閉鎖を極めて冷静に受け止めていた。自分としてはもう少し顕著な動きがみられるかと思ったのだが、影響が少なかったのは何より。
これで米2026会計年度の予算は国土安全保障のみとなったのだが、国土安全保障省の傘下には輸送安全保障局(TSA)や税関・国境警備局(CBP)が含まれるため、交渉が難航し再閉鎖が長引けば、物流や観光業に悪影響が出る可能性もある。国土安全保障の歳出法案が2月13日の期限までに成立するかどうかについては引き続き気を付けておきたい。