はじめに
年明け早々の現地時間2025年1月3日(金)に自分が所有銘柄しているシティグループ(C)の投資格付けアップデートがあった。
それを受けてシティ株は
1.52%上昇したものの同日の米国市場
や大手米銀4行
と比べてるとそれ程劇的に上昇している訳ではない。しかしその内容を見てみると、もしアナリストが正しければ今後に期待が持てる内容だったので、以下にその内容を整理しておく。
2025年1月3日のシティグループ投資格付けアップデート
Wells FargoのアナリストMike Mayo氏
投資格付け:Overweightで変わらず
目標株価:95ドルから110ドルに上方修正
以下はMike Mayo氏の投資格付けアップデートの要旨。
- これ(シティグループ)は私の圧倒的な第1候補であり、他のどの銀行もシティに匹敵しない
- 2024年も(シティ)私の第1候補だったが最高のパフォーマンスは出なかった。それがさらなるチャンスを生み出す
- 投資家は、50年にわたるグローバル・マトリックス構造から5つのビジネスラインに移行した後、経営陣の説明責任が改善されたことを過小評価しているようだ
- シティは過去数年間ジェーン・フレイザーCEOの下で戦略的な変革を遂げ、5つの中核事業分野に注力してきた。米国の大手銀行の中で最も国際的なシティは、14ヶ国で消費者向け事業から撤退した
- シティは主要事業への投資が不十分な「世界的な寄せ集め」から、フレイザー氏の下でより経営が行き届き、より集中し、より責任感が強い銀行へと変貌した
- シティに対する批判はリターンがひどくクラス最悪だということであり、例えばJPモルガンは有形株主資本利益率が10%台後半であるのに対し、シティはこれまでのところ7%であり、株式市場はシティがいつまでも7%のリターンを得ると想定している
- しかしシティは財務目標を達成し、2026年には有形株主資本利益率を11~12%に引き上げると予想され、これにより2026年にはシティが1株当たり約10ドルの利益を上げると見込まれる
- 最終的にシティの株価は今後3年間で2倍になる可能性がある
- シティが複数年にわたる価値破壊から価値創造へと転換することの意義は、持続可能な株価アウトパフォームの最大の要因の一つであると我々は考えている
Keefe, Bruyette & WoodsのアナリストDavid Konrad氏
投資格付け:Outperformで変わらず
目標株価:82ドルから85ドルに上方修正
以下はDavid Konrad氏の投資格付けアップデートの要旨。
- 資本市場の活発化と同業他社に比べて割安なシティのバリュエーションは、魅力的な機会を提供する可能性がある
- シティグループは我々の2025年のトップ・アイディア(top ideas)の一つ
まとめ
冒頭に記載した通りアナリストの投資格付けアップデートは、内容がポジティブだったにもかかわらず市場の反応は薄くシティ株に大きな上昇をもたらした訳ではないのだが、個人的には今後にやや期待が持てる気はしている。
というのはWells FargoのアナリストMike Mayo氏のシティ推しが続いているから。Mike Mayo氏はほぼ1年前の2024年1月にシティの投資格付けアップデートを行った際にも記したが、四半期決算時のカンファレンスコールでシティに対して厳しい質問をすることで知られている人物。その人物がシティを圧倒的な1位として挙げ、今後3年で株価倍増としているのは心強い。加えて上記2024年1月のアップデート時にMike Mayo氏はシティの目標株価を70ドルとしており、冒頭の株価を見ての通りその予想も当たっている。
シティは2025年1月15日(金)に2024年第4四半期決算発表を予定しており、そこで経営陣がアナリストの見解を裏付けることが出来るような発言/説明を出来るかに要注目。万が一アナリストが予想した内容と相反するものであった場合、株価は大きく下落する可能性もあるのだが上手く乗り切って昨年と同様にMike Mayo氏の2025年1月の目標株価110ドルが2025年末に当たってくれると嬉しいのだがさてどうなる事か。とはいえ流石にちょっとそれは難しいだろうなあ。